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96.二人旅9
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出張の件から圭は三浦のことを悪くいうことが少なくなった。
蒼にとったら、うるさく言われるネタがなくなったのでいいことではあったが、なぜ、そうなったのかを考えても答えは見えない。
なんとなく腑に落ちない展開だなと思っていた。
きららホールへの出張は、星音堂にとったら、大収穫だった。
蒼や三浦が持ち帰った資料を見て、星野たちも感化されたようだった。
水野谷も、ハードの面はなかなか改善はされないと思うが、少しずつ変化を付けようという気持ちになってくれたようで、いろいろな発議書を受け付けてくれるようになっていた。
本庁で採用されるかどうかは不明だったが、水野谷のやる気の度合いを見ても、きっとうまくプレゼンをしてくれるであろうという雰囲気が漂っていた。
星野が提案した企画は、鳥小屋をもっと活用して、雰囲気のよい中庭を作成すること。
花を栽培したり、飾りつけをする程度の予算はなんとか捻出できそうだ。
さらに、本日の予定などを掲示するところを見やすくしたり、あちこちのディスプレーを統一性のあるものにしたりする案が出た。
さらに、音楽をやらない人でも気軽に立ち寄ってもらえる様に、資料館を解放していることをもっと明確に宣伝したり、敷居が高くないというイメージアップ作戦なども提案された。
三浦からは、このハイテクの時代にアナログすぎる部分をもっと効率よくする方法なども考えたいという意見が出されて、一同は目を丸くしていた。
施設自体の改修は難しくとも、心遣いが感じられるような雰囲気づくりは必要であろう。
また、蒼が考えていたのは、職員たちの態度などが素晴らしかったことである。
新人だから、好きだから、そういう意識ではなく。
やはりプロとして、星音堂について勉強し、親切丁寧で迅速な対応ができるように一人ひとりのスキルアップも必要であるという意見を出した。
これについては、経費もかからないことだし、いいことだと水野谷も乗り気で、定期的にみんなでの勉強会の時間を設けることになった。
小さいことからはじめないと。
なにも変わらない。
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