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99.訣別2
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「なんだ?これは。冗談なんじゃないだろうな?」
水野谷はメガネを光らせて、蒼を見上げる。
「すみません。急な話になってしまったんですけど。おれの優柔不断からこうなってしまって」
「そんなことを聞いているんじゃない」
彼は大きくため息を吐く。
たまたま。
誰もいなかった。
他の職員たちは、施設周辺の雪かきに出ている。
蒼もそっちに行っていたが、水野谷に話をするには今しかないと思って抜け出してきた。
水野谷は目の前に置かれた辞表には目もくれず、蒼を直視する。
「蒼」
「課長。おれ」
やめたくなんかない!!
辞表なんか。
一生出さないと思っていたのに!
「事情、話してみろ。おれが納得したら話は別だ」
「……」
それから。
静かな事務室で、蒼は混乱する頭の中から言葉を選んで話をした。
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