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101.素性3
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羽根田の自宅は豪邸としかいいようがない家だった。
いまどき、こういう家ってあるのだろうか?
東京の郊外にあるそこ。
木々に囲まれていて、ドラマにでも出てきそうな家だ。
大きな門を抜けると、洋風なお城みたいな建物があった。
「明治からあるそうです」
岩見の言葉にあいた口が塞がらない。
観光で、昔の洋館を見たことがあるが、そこはあくまでも展示会場みたいになっていた。
人が実際に住んでいるわけではなかったし。
それが。
ここに、日常的に住む?
なんだか非現実的な気がした。
「じゃあ、我が家族を紹介しよう」
羽根田はさっさと中に入っていった。
岩見は、蒼を中に促した。
「あ、ありがとうございました」
「いいえ。これからもいろいろとお付き合いしていただくことになります。こちらこそ、よろしくお願いいたします」
彼は一礼をして、軽く後ろに引く。
蒼が入らないと、彼もここから離れられないらしい。
ここまで来たら、入らないほうがおかしい。
蒼は深呼吸をして、羽根田邸に足を踏み入れた。
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