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102.社会人2
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一人おいて行かれた三浦。
ぼーっとしていた。
自分でもなにがなんだかわからないんだから仕方ない。
「あの……」
どのくらいぼーっとしていただろうか?
声が聞こえて、顔を上げると、そこには篠崎が立っていた。
「篠崎……。さっきは悪かったね。ごめん。おれ。ちょっと気が立ってて。八つ当たりして、ごめん」
なんとなく、素直に話をしだすと、言葉が出てきた。
元々、ひねくれたやつではない。
悪気もないのだ。
篠崎は首を横に振る。
「いえ。おれが悪いんです。すみません。三浦さんにせっかく教えてもらっているのに……。すみません。何回も間違えて」
「いや。いいんだよ。おれだって一回で仕事覚えられるほど優秀じゃないから。ごめん。篠崎」
何度も謝るのは、自分のためもある。
三浦はこれで区切りにしようと思う。
心を入れ替えないと。
このままでは、本当に悪い人間になってしまう。
「頑張ろう」
「はい!」
篠崎はにっこり笑顔を見せた。
ふと蒼とは違う、なんだかやわらかいそよ風みたいな感覚を覚えた。
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