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102.社会人10
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確かに。
当時の自分。
結構、頑張った。
柄にもなく。
この星野が頑張ったのだ。
自分でも信じられない行動をたくさんした。
そう思っている。
三浦は。
自分に勇気がなかったこと。
悔やんでいるのだろう。
だけど。
後の祭りである。
もう蒼はいないのだから……。
そんな三浦の事情なんか知らない篠崎は、目を白黒させていた。
楽しい時間。
風邪なんか、忘れてしまうくらいの賑やかな時間だった。
星野も職場では見せない、照れたようないつもとは違う表情だ。
油井のおかげだろう。
油井は、星野をいいように扱っている。
彼のほうが上手だな。
そう思った。
それに。
三浦も。
職場でいらいらした感じばかりの彼なのに。
本当によく笑い、砕けた感じだった。
三浦のこと。
苦手だったのに。
なんだか少し、近づけたような気がいしていた。
その夜。
みんなが帰ってしまった後、篠崎はベッドにいた。
急に静かになってしまって寂しい気持ちもあったが、なんとなく心地よいのは、なぜなのだろう?
少しにこにこしながら、天井を眺めていると、ふと携帯にメールが来た。
メールは三浦から。
『今日は逆に疲れさせて悪かったね。ゆっくり休んで。仕事は無理しなくてもいいけど、やることもいっぱいあるんだから。ちゃんと直して、出てくること。待っているからな』
そう書いてあった。
なんだか嬉しい。
無理しないで出てこなくていいって言われると、なんだか必要とされていない気持ちになってしまうが。
やることいっぱいあるんだから。
自分も少しは力になるってことかな?
頑張ろう。
頑張ってみよう。
今日は休んで。
明日はよくなりますように……。
熱がすっと引いていく気分。
悪くはない。
篠崎は布団にもぐって眠りについた。
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