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108.会いたい4
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そして、うまくいかない日はうまくいかないことが続く。
約束をしていた会議の一つが手違いで開催できなかったのだ。
日程も詰まっているというのに。
蒼は、予定よりも早めに帰宅できると喜んでいるようだったが、彼女からしたら手痛いミスだった。
そんなにミスをするほうではないのに。
今朝からかかってくる電話が気がかりで仕方がないのだ。
相手の言い分には聞く耳を待たないようにしたくても、相手の男の言葉が耳から離れないのだ。
「……って、いいでしょう?」
はっとして顔を上げると、蒼がこちらを見ていた。
「なんでしょう?」
「だから。早く終わったんだし。ちょっと外に出かけてきてもいいでしょうって聞いたの?」
もう聞いていないの?
蒼はそんな顔をしている。
自分としたことが。
彼はどこに行くか言ったようだし。
何度も聞くのも自分が聞いていなかったことを肯定するようで、はばかられた。
奥川は蒼も子供ではないのだし。
そう思い首を縦に振る。
「明日は8時出発の予定ですので、あまり遅くならないようにしてくださいね」
「了解です!」
彼はそう笑顔を見せると、部屋を出て行った。
「はあ……」
疲れた。
今晩は早めに休もう。
彼女も自室に向かった。
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