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16 待たなくていい10
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月曜日。
星音堂はお休みだ。
いつもだったら、気分よく休日のまどろみを満喫するところだけど……。
今日は、違っていた。
頭はガンガンするし、身体中が軋む。
「う~……なんなんだ、これは……」
頭を押さえてもぞもぞと身体を起こす。
頭痛と胸焼け。
なんだか、ぼんやりして気分は最悪だ。
「あいたたた……」
やっとの思いで布団から這いずり出る。
あれ?
露になった腕。
はったとして自分が裸になっていることに気づいた。
「あれ!?」
思わず、隣で寝息を立てている関口を見る。
いつもだったら休日は早起きの彼もらまだまだ熟睡中らしい。
寝返りを打って、むにぁむにゃしている。
「おれとしたことが……。とうとう。やってしまった!!」
思い出した!
酔っていたとは言え、はっきり覚えている。
想像も出来ない程恥ずかしい。
顔が赤くなってしまう。
「う~ん……。蒼?」
一人で赤面したり、青くなったりしていると、急に関口の長い腕が伸びてきて、蒼のお腹を捉えた。
「ひッ!」
ぐいんと引き寄せられる。
「なに?もう起きたの?」
関口は夢の中だ。
寝ぼけている。
「もう一回やらせて。昨日のやつ」
耳元で囁かれても困る。
もうそういう気分でもないし!
蒼は、わたわたと手を振って抵抗する。
「だ、だめ~!関口!!調子に乗るなよっ!」
「だめ?」
「だめ!!」
蒼は起き出してさっさと服を着込む。
なんだか、熱に浮かされているようだ。
現実と夢の境が分からなくなってしまっていた。
こんなはずじゃなかったのに。
最初は関口の強引な押しかけから始まった同棲生活。
それが本当の恋人になってしまうなんて。
夢にも思わなかった。
自分でも信じられない。
どうしてこういうことのなってしまったのだろうか?
ベッドの上で安眠している関口を見て、ため息を吐くしかなかった。
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