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25 小舅vs恋人5
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楽しい時間ってものはあっという間だ。
昼食を終えたとき、時間は1時を回っていた。
そろそろお暇しよう。
蒼はそう思うが。
関口と栄一郎は意気投合してしまっている。
「圭君と話していると、昔を思い出すよ」
「え?」
「圭一郎とは、よくこうして語り合った」
「父と、ですか?昔から変わり者だったんでしょう?」
話題が変わってしまうと長い。
蒼の昔の話から、圭一郎の話になってしまった。
どうしよう。
帰ろう!なんて切り出せない。
そんなもごもごした蒼の様子に、空は瞳を瞬かせる。
「どうしたの?蒼」
二人は放置して、空は蒼に話しかける。
「えっと。そろそろ」
「まだいいじゃないの」
「だって」
時間が気になる。
時計に視線を向ける蒼。
「用事でもあるの?」
空の問いに答えたのは、関口だった。
いつの間にか、栄一郎との話は中断している。
「特にないです」
「関口」
「蒼が時計を気にしていたものだから」
「蒼?」
関口が首を傾げてしまう。
「なにか用事でもあった?」
「あ、あの。……用事……あ!う、うん!ある!」
挙動不審な蒼の様子に一同が首をかしげていると、不意に扉が開いた。
来た!
陽介の声を想像して、蒼は瞳をぎゅ~と瞑る。
「あれ?お客?」
しかし、相手は予想外。
「啓介」
父親の声にほっとする。
「今日、大学は?」
「もう終わった。あれ?蒼?」
啓介は皆を見渡してから、蒼を見つける。
そして、見たことのない顔に視線を止めた。
「こんにちは」
関口は席を立つ。
「おれ、蒼の同居人の関口圭です」
同居人!?
啓介は思わず蒼を見る。
そうだった。
彼は知らないんだっけ。
関口ったら。
余計なことを言ってくれちゃうんだから。
蒼は思わず啓介から視線を外した。
「あ、おれ。蒼の弟の啓介です。あ、蒼の同居人。あ。そうですか」
最初は驚いていた啓介だけど。
途中から事情を察したみたいで、にやにやする。
「へ~。蒼の同居人かあ」
意地悪そうに蒼を見る啓介。
「啓介もお昼食べたら?」
空の声に彼は不敵に笑う。
「おれも混ぜてもらおうかな」
「け、啓介!」
蒼は慌てて彼を廊下に連れ出す。
「ちょっと!」
「なんだよ~。おもしろそうじゃん。蒼が彼氏をつれてきたんだし」
「だから!」
耳まで真っ赤にして蒼は焦る。
「陽介には内緒だよ!!」
「ばれたら大変なことになるな」
啓介は頷く。
二人は視線を合わせる。
「なにが?」
「なにがって、蒼が彼氏連れてきたこと……へ?」
啓介は吃驚して振り向く。
そこには、白衣姿の陽介が仁王立ちしていた。
「ひ、ひえ~!」
蒼と啓介はあまりの恐ろしさに抱き合う。
「蒼、お帰り」
にっこり笑っているものの、額に青筋が立っているのは見逃せない。
かなり怒っている。
「で、どこのどいつだ?蒼の彼氏って男は」
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