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33 ちゅんちゅんちゅん7
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翌日。
出勤していくと鳥小屋は完成していた。
ぼんやりガラス越しに見つめる。
昨日、完成したときにおいてある餌を見つけた鳥たちがちらほら集まっていた。
2羽のすずめがちゅんちゅんと鳴きながら、横に設置されている棒に掴まって餌をつついていた。
「はあ」
あの鳥は家族だろうか?
親子だろうか?
友達だろうか?
それとも。
恋人だろうか?
仲良く餌を食べている姿がうらやましい。
「関口……」
結局、今朝もなにも話さずに仕事に来てしまった。
人を羨やむなんて今まであまりなかったけど。
鳥ですら羨ましく見える。
「関口……」
蒼はいつまでも鳥小屋を見つめる。
何もないのに。
勝手に一人で悩んでぐるぐるしているのは自分だけなのに。
蒼は一人でぼんやりしていた。
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