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49.熊谷家5
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「啓介と一緒に出かけてきたんだって?」
海に行って帰りが遅くなった。
真っ暗になった道を通って、実家に戻ると、陽介がむっとして待ち構えていた。
「陽介」
啓介はごまかし笑いをする。
「お前!蒼は事故に遭ったばっかりなんだから、そんなに連れ回すことないだろうが!」
「なんだよ!結局はおれが悪いのかよ」
全て啓介のせいみたいに言われるとむっとするのは当然だろう。
「まま。おれが言い出したんだからさ」
蒼が仲裁に入ると陽介もむ~っとしたまま引き下がった。
「喧嘩はなしにしようって!ね!久しぶりにみんなで揃ったんだからさ」
「そ、それもそうだよな」
啓介は苦笑いをして話をそらす。
「ふむ。一理あるな」
「でしょう?」
うまく話しはそれた。
蒼はにこにこして続ける。
「そ、そうだ!今日は飲もう!3人で!ね?」
「蒼、飲めるのか?」
「飲めるよ~!そっか。あんまりみんなで飲んだりしないもんね」
「それもそうだな」
ふむっと頷く陽介の背中を押して、蒼はさっさと中に入る。
途中、啓介に視線を送ると、彼も「助かった」と笑顔で返してくれた。
兄弟で腹を割って話し合うなんてことは滅多にないことだからいい機会かも知れない。
加賀のことも聞いてみたかったから。
たまにはいいかな?
そう思いつつ、三人は居間に向かった。
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