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60.おねだり6
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言ってしまった!!
初めてだ。
だけど、圭に分かってもらえるかな?
心臓はばくばく高鳴った。
しばらくの沈黙。
そして圭の息遣いが聞こえた。
「蒼……」
「ご、ごめん!なんだか変、だよね?」
圭の大きな手が蒼の肩に触れる。
「変じゃないよ。すごく可愛いんですけど?」
「……」
「どこから拾ってきたの?これ」
「え……えっと!!」
あまりの恥ずかしさに蒼は慌ててグッズを取り上げる。
「こ、この制服は星野さんで……。エプロンは家のだし。あ、あの。この手錠は吉田さんで……。これが尾形さん。そんで、そんで。これが三浦……」
いちごの形をしたローターを取り上げた瞬間。
びゅんっと黒い影が視界を横切る。
「へ!?」
「あれ?」
見るとキッチンの暗闇で目を光らせているけだもがいちごを咥えていた。
「あ!けだも!」
蒼は、おろおろしてけだもを追いかける。
しかし、彼は「にゃふ~!」と興奮している声を上げて、いちごを床に転がして追いかける。
「ああ……。それはけだものおもちゃじゃなくて……」
ごろんと横になって、ぽ~んっと跳ね上がった瞬間。
いちごはころころと転がって冷蔵庫の下に入り込んだ。
「あわわわ」
冷蔵庫の下に行って手を突っ込んでも遅い。
けだもはその場所で悪戦苦闘していた。
獲物を引きずり出したいのだろう。
一連の様子をおかしそうにみていた圭は蒼の腰に手を回して引き寄せた。
「圭……」
「ごめんね。おれが悪いんだ」
「な、なんで?」
「最近、ちっとも忙しくて蒼のことかまってあげられなかったもんね」
「かまってなんて……いいんだけど。ね」
背後から響く圭の声は心地いい。
こうして近くにいるのは久しぶりな気がした。
ふと耳に吐息を感じたかと思うと、ねっとりと熱いものが耳たぶに触れた。
「ふッ!」
思わず彼の腕にしがみつく。
「可愛いね。蒼。こういう制服ってどうなのかなって思っていたけど、すごくそそられるね。星野さんって油井くんとこんなことしてんだ」
「……」
なんとも言えない。
いいのか悪いのかなんて。
ただ無我夢中だったから。
ふと圭の舌が離れる。
顔を上げると、彼は興味深そうにグッズを見ていた。
「へ~。吉田さんも面白いことするんだね。どれ」
彼は手錠を取り上げると躊躇することなく蒼の右手に嵌めた。
がちゃり。
「圭!?」
「なに?蒼。こうしてもらいたいから借りてきたんでしょう?」
「……え?」
そういえばそうだ。
そういうことだろう。
自分としたことが。
そこまで考えてなかった!
今頃気づいても遅い。
確かにいつもと違うシチュエーションは圭の情欲に火をつけたらしい。
にやりっと意地悪な笑みを浮かべる。
一瞬、最初の頃に意地悪関口を思い出した。
「ひ!」
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