アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
80.家政夫は見た!10
-
「ショルが運命の人を見付けたって」
「運命の人」
保住室長?
「彼女、保住みのりさんだそうだ」
「ほ、保住!?」
保住?
あれ?
混乱している蒼。
ショルティは苦笑する。
『保住の妹さんだ。おれのファンだって言うから。会ってもらえないかって言われていて。保住のことも気に入っているし。なんだか興味あったから、東京からトンボ帰りしてきたんだよ』
「保住室長の妹さん?」
「兄がお世話になっているみたいで。すみません」
彼女は再度頭を下げた。
『今日、あの喫茶店で会ったんだけど、もう、すっごく運命を感じちゃって!彼女しかいないと思った。彼女もおれのことをすっごく気に入ってくれたし』
『え?じゃあ、あの喫茶店に?』
だって。
あの時は……。
「少しお手洗いに行っていたら、誰もいなくなっているんですもの。ビックリしました。慌てて外に出たら、みなさんでお取り込み中だったみたいなので、どうにも出難くなってしまいまして……」
「じゃ、じゃあ。ショルが見つけた運命の人は妹さんで……」
「兄のことと勘違いされていたんですか?可笑しな方」
彼女は本当におかしそうに笑う。
蒼は首を横に振った。
いかん。
自分が圭とそういう関係だからって。
そういうものが公然と存在するものだと勘違いしていた。
ショルはかわいいものが好きなだけだ。
なにも男性が好きとは限らない。
なんてことだろうか。
安齋も自分も、ものすごい勘違いをしたことになる。
急いで安齋に知らせないと。
あの田口に話をしてしまうかも知れない。
そう思った。
「お、おれ。ちょっと用事思い出した」
「蒼?」
せっかく蒼が来て、自分への負担が軽くなると思ったのに。
圭は慌てて追いかけるが遅い。
蒼はそそくさと玄関から外に出た。
そして、そのまま携帯で吉田に連絡を入れる。
彼も今日は早く帰ると言っていた。
もう自宅に着いている頃だろう。
逸る気持ちを押さえ、通話を待つ。
吉田はすぐに出た。
「あ!もしもし!?吉田さんですか?あの、大至急、安齋さんに連絡を取りたいんですけど……!」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
610 / 869