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83.ガラコンサート6
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アランはため息を吐いてショルを眺める。
大ホールの客席に座らされている彼。
左目の周りが赤く腫れている。
『これはどういうことなんでしょうかね?説明をしてもらえますか?』
ショルは『だって~……』と言葉を濁す。
『圭に殴られたって。あんたはなにをしているんですか!?顔に傷まで作っちゃって。プロとして失格ですよ?』
『圭が手加減してくれないんだ』
『手加減もなにも。圭になにをしたんだか!』
側にいた高塚は平謝りだ。
「すみません。ショルに怪我させちゃうなんて……」
「高塚くんは謝る必要がありません!」
アランは厳しくショルを見る。
『どうせ、ショルが圭を怒らせるようなことをしたんでしょうから。謝る必要はないのです。逆にこちらでお詫びをしなければならないくらいでしょうね?』
『ぐ……』
蒼の愛情弁当を食べて、上機嫌の圭は楽器を抱えてホールにやってくる。
「あれ?」
もめている一団に苦笑して、声をかける。
『あらら。ずいぶん腫れちゃったね』
『腫れちゃったねじゃないだろう?誰がやったと思って……』
ショルが反論しようとした時。
アランがじろっと睨む。
再びショルはしゅんとした。
『まあ、その程度ならメイクでどうとでもなるでしょう。さっさと練習なさい』
『すみません』
どうにもこうにも。
マエストロとはマネージャーに弱いものである。
なんだか圭一郎を見ているようでおかしい。
圭は苦笑した。
「腕の話、聞きました。無理されずに。まずは終えることを考えてください」
アランの言葉に圭は頷く。
問題はそこだろう。
「ありがとう。頑張ります」
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