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102.社会人9
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「い、いくつ?」
「19です」
「未成年ー!!」
びっくりである。
星野たち二人は鍋をつつく。
関係ないらしい。
「あれ?言ってなかったっけ?三浦とか」
「言っていませんよ!彼女らしき人がいるっては聞いていたけど……」
ルームメイトもいて、彼女もいるなんてすごい!
篠崎はそう思う。
だけど、あれ?
彼女もいて、ルームメイトもいてって?
なんか……変?
熱のせい?
「星野さん。いろいろ言うのはいいけど。支障ないの?大丈夫?」
油井は呆れた顔をしている。
「いいだろう。別に。隠すことないって。三浦なんかに」
「三浦なんかにって失礼っすよ!」
三浦はぶうぶう怒っている。
あれ?
あれれ……?
なんか。
なんか。
篠崎はぐるぐるしてきた。
そして。
「あの、彼女さん、なんですか?」
思わず口に出してしまう。
熱のせいもあるのだろう。
自分で聞いてしまうなんて思ってもみなかったので、はっとして口を押えたが遅かった。
油井はぶっと吹き出す。
星野は笑っていた。
「そうそう。おれの彼女」
「彼女じゃないよッ!!」
星野は嬉しそうだ。
そこ、言いたかったのかもしれない。
笑ってしまう。
三浦も驚いた顔だ。
「そ、そうなんですか?」
「そうだなー……付き合って、かれこれ……」
「3年です」
「そうそう。2年……」
すごい!
「2年か……」
油井は笑顔で篠崎を見る。
「先輩。忘れちゃったんですか?おれ。油井ですよ」
油井はにこにこだ。
先輩?
「梅沢の……」
「!?」
思い出した!!
高校時代の部活の後輩!!
「油井!?」
そうだ。
あの時もそうだ。
朗らかで、にこにこの油井。
思い出した。
「え!?な、なんで?2年前って?」
19歳?
ってことは……。
「高校生の時から!?」
「星野さん、高校生に手だしちゃダメでしょう?」
「ダメって。今は立派な男だが?」
「そういう問題じゃないっすよ。それにまだ未成年!」
三浦は呆れた。
どういういきさつなのか。
すっごく興味がある。
興味で目を輝かせている篠崎を見ると、答えない訳にはいかないだろう。
そんな気がしてしまう。
「油井が、合唱部の定期演奏会の予約取りに来たときにおれが一目惚れした。それから、なんとかつないで。付き合っているって訳」
一言でいうとそれだけか。
自分で言っていて、なんとなく自嘲してしまった。
「星野さん……。おれ、星野さんを尊敬します!」
突然。
三浦が言い出す。
「三浦さん!?」
なにを言い出すのか……。
「尊敬されるようなことはなんにもしてねーけど?」
「してますよ!勇気ある行動をとった結果がこれなんですよね?」
「勇気ある?」
ぷっと油井が笑う。
「笑うとこじゃねーだろう」
星野は苦笑いだ。
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