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初めての添い寝
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ラーメンを食べて、その美味しさに感動したレオは、人間界にはどんな料理が他にあるのか興味津々だ。
そして、自分のことを助けてくれた勇に少しでも恩返しするために、明日からたくさん料理の勉強をしようと心に決めた。
「レオ、お風呂沸かすから先入りなよ。おれは怪我に湯が沁みて長く入っていられないから、後でちゃちゃっと済ませるよ。」
「うん!勇の怪我が治ったら、一緒に入って背中流してあげるね♪」
勇はレオの言葉にドキッとしたが、レオに下心を感ずかれない様に平静を装い、お風呂の湯を沸しに行った。
勇は学生時代に着ていた上下同じ紺色のスウェットを、レオの一時的なパジャマとして貸した。サイズはやはり大きめだが、明日の買い物でレオに合った服も買う予定なのでしばらくの辛抱だ。
「あはっ…この服、勇の匂いがする。」
「えっごめん! 洗ってしばらくタンスに入れてたけど、臭かった?? 柔軟剤使ってなかったかもなそれ…。」
「ううん。とても落ち着く匂いだよ。勇、今日だけ添い寝してくれないかな? クンクンしてたらもっと勇を身近に感じたくなって……。」
レオは勇に対して、特別な感情が芽生えつつあるようだ。それは勇の持つ自分のために命を掛けてくれた勇気や、自分を信じてくれる優しさに憧れを抱いているだけなのか、それともそこに恋愛感情も含まれているのかはレオ本人もまだ分からない。
「そ、添い寝!?」
「あ、やっぱ男同士は嫌だよね(笑)」
「いや、全然そんなことないよ。レオのようなかわいい子にそんなお願いされると思ってなかったから、ちょっとびっくりしただけさ。」
「あははっ…勇は男の子のぼくに照れてるんだ。でも、嫌じゃないの分かったから、お願いします♪」
「お、おうよ! もうそろそろ風呂沸いたんじゃないかな!? 早く入ってきなよ!」
勇は恥ずかしいような嬉しいような気持ちでいっぱいになり、顔を真っ赤にした。それでも冷静を装いレオをお風呂に行かせた。
レオは勇の隠しきれない気持ちに気がついており、焦っている勇を見るのがとても楽しいようだ。
交代でお風呂を済ませた2人は、今日の乱闘による疲れがひどいので、すぐ寝ることにした。
「じゃ…寝よっか?」
添い寝をする約束をした勇は、レオをベッドに誘った。同性とは言え、レオは中性的な美少年だ。勇は心臓バクバクで、どうかしてしまいそうだ。
先に勇がベッドに入り、壁側に正面を向けうずくまる。レオに背を向けた格好だ。
「おジャマしま~す♪ 勇、照れてるの? かわいい…。」
レオはどうやらベッドでは小悪魔化するようだ。勇の背中を指でツンツンしたり、なぞったりしてからかう。
「勇、僕の方を向いて……。」
勇もいつまでもビクビクしていては、年上としての面子が立たないと思い、堂々と振り向いてレオを抱擁しようと決心する。
振り向いた勇は、レオの美しい顔立ちと透き通るようなエメラルドグリーンの目を見て、胸の鼓動が頂点に達した。
夢のようなこのシチュエーションは、地味で冴えない自分なんかには本当に心の底からもったいないと感じた。
「レオ……お前かわいすぎ!」
勇はレオをぎゅっと抱きしめ、頭を撫でた。慣れないことをしている勇は、少し力みすぎた。
「いたたっ…勇、痛い!」
「ご、ごめん!ちょっと力入れすぎた!」
「もう!…でも、嬉しい。こんなにぼくを抱きしめてくれて…もっと撫で撫でして……。」
愛くるしさと妖艶が入り交じるトロンとした顔で見つめてくるレオに、勇は全身が痺れるような幸せと、下半身から流れてくる欲を感じた。
「レオ……おれ、もう…その我慢が……あれ?!」
勇に優しく撫でてもらっているうちにレオは寝てしまったようだ。小さな寝息をたててスヤスヤと気持ち良さそうだ。
「いかんいかん! 危うく犯罪に走るところだった。ごめんなレオ。しかし、こんなに安心して寝てるところを見ると、相当今までがきつかったんだろうな……。」
勇は冷静になり、本当に自分にこの子を守ることはできるのか少し不安になった。他の大人達に一緒に住んでいることを知られたら、自分は誘拐犯にされて、この子は施設に連れてかれてしまうのではないのかと考えた。
しかし、大人の都合で振り回される辛さや孤独になった時の苦しさを知っている勇は、必ずこの子を守ると固く決意した。
「そう言えば、レオのお姉さんも流刑になったんだよな。もしかしたら人間界にいるかもしれない……。」
勇は自分も眠りに落ちる前に、まずはレオの姉の手掛かりを探してみることを考えた。
目を閉じながら、熟睡しているレオの頭を数回撫でて、勇も眠りについた。
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