アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
107
-
「…実は、な。その…紫ちゃんとヤることになった。」
『…藪から棒に生々しい話をしだすんじゃねぇよ。』
急に一オクターブ、相談相手の声が下がった。
「なぁ、オレはどうやって主導権を握ったらいいんだ??っつか、心得‼せめて、心がけだけでも、良太様‼」
『野郎同士のヤり方なんぞ知るかァッ‼』
そこで、通話は切れた。嶋は自室のベッドで大の字になって横たわる。
「…何でこうなるんだよォ~。誰か助けてくれぇ~…。」
携帯と睨めっこすること、数分。嶋は渋々、携帯を弄り出す。
「…ネットだと何か、知りたくないディ-プな知識まで仕入れそうだが、この際、背に腹は代えられない‼」
十分後。嶋は再び、ベッドにダイブして枕をひっしと抱きしめた…。
午後十一時半。紫の部屋の前で、夜の相手は深呼吸を一つする。扉をノックしようとした途端。背後から声をかけられた。
「何してんの??」
「〇×△#@~‼?」
混乱しているαの片腕を掴み、勇ましい紫は自室の扉を押し開けた。紫は自分から中に入ると、続けて相手を室内へと引きずり込む。
「声をかけようと思ったところ。準備ができたから。」
紫の部屋は、照明がついている以外は昼間の通り…。否。勉強机についているキャスターが、ベッドの傍らに配置されていた。キャスターの上には…開けたての小箱と一枚切り離された…未開封の避妊具入った袋。それから、様々なタイプのローションが置かれている。紫はベッドの淵に腰かけ、細く引き締まった足を組むと、ちょいちょいと相手に手招きしてみせた。今夜の紫は、装飾のフリルが申し訳程度についた、純白のパジャマ姿だ。どこかあやふやだったセックスの話が、紫のパジャマ姿を目撃したことによって、いきなり現実味を帯びて、嶋は途端にへっぴり腰になる。紫は、ベッドの枕元…死角になるところから何やらリモコンを取り出して見せる。
「明かりはリモコンで消せるから。どうする??真っ暗だと難易度高いし。…かと言って、明るいと僕が恥ずかしいんだよね。…豆球ぐらいの明かりにでもしとく??」
空気とは打って変わって気楽な紫の様子が、同居人の心を落ち着かせる安定剤となった。
「ま、豆球で頼むわ…。」
嶋は腹を括って、出入口で棒立ちしていた足に鞭を打ち、相手の隣にどしんと腰かける。勢いをつけ過ぎたらしく、ベッドのスプリングが苦しげに唸った。隣に視線をやると、西洋人形のような友人がお淑やかに微笑んでいる。
「…紫ちゃん。その、今日の格好もの凄く…。」
_
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
107 / 146