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嶋は身体を硬くしたが、敏いΩの絆すような舌の動きに誘われ、覚束ないながらも相手を満足させようと努める。舌同士が絡まりあい、相手を意識したΩが集中を欠いた…一瞬。
紫の視界が、突如暗転した。気づくと半裸のΩは、ベッドに押し倒された側になっている。力任せに獲物を転がした若いαは、闘志に目をギラつかせ、べろりと唇の周りと舐めまわしてみせる。
「紫ちゃんは、“コッチ”でしょ??」
茶化すような口調から一転し、顔に繰り返されるキスの雨は獲物の気が遠くなるほど激しく隙がない。立て続けに唇に噛みつかれる。歯列をなぞり、舌を嬲られる。息をつかせぬ攻防に、紫の全身が戦慄く。酸欠で頭がぼんやりとしてくる。…短時間に獲物のツボを心得たのか。嶋はΩの舌を絡めると強く酸素を吸い込み、上顎をべろりと舐めあげる。稲妻の如く身体に駆け抜ける快楽に、Ωは大きく身じろいだ。
紫の全身は脱力し、早くも目の前の若いαに対して本能的に服従しつつあった。弛緩した獲物に乗っかり、嶋は…がっくりと肩を落とした。
「…というわけで、ごめん‼紫ちゃん‼」
顔の前でパンと手を合わせる嶋に、Ωはキョトンとする。
「…ぇ…??」
間隔が短い、乱れた息をしながらも紫は相手に問いかける。嶋はガバッと顔を上げて、説明し出す。
「本当、悪ィ…‼…オレ、黙っていたけど実は童貞で…。その、ここから全く知識がないというか。」
「…。」
激しい呼吸の合間に、紫は同居人の片腕を持って自身の頬に持っていく。頭を傾げ、紫は恥ずかしさの欠片も見せず、若いαに舌ったらずな口調で強請った。
「…いいよ。嶋は、好きだけ僕に触っていればいいから。」
「・ ・ ・ッ‼?」
嶋は、ようやく気がつく。行為中のリードだけで頭がいっぱいだったが、目前のΩは普段と全く別人に見えた。
じんわりと赤く染まった両頬。欲情に潤んだ双眸は、羞恥に塗れて伏せがちだ。髪から垣間見える耳たぶは真っ赤だ。頬の端では、幾つか髪の毛が滲んだ汗で肌にぺっとりと張り付いてしまっている。ひっしと手でシーツを掴んでいる。両腕の筋肉は、未知の恐怖にふるふると微かに震えている。
…嶋の手が動く度、鋭く眇められる瞳は快楽と好奇心と恐怖がごちゃ混ぜになっていた。
「…紫ちゃん。」
ナイーブな話題だと思ったが、無視を決め込むわけにもいかない。嶋は、恐る恐る相手に訊ねた。
「もしかして、だけど…。紫ちゃんって、風呂場でかなり身体の隅々まで綺麗にした??」
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