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嶋が相手の肌に顔を近づける度、清楚な石鹸の香りのがふんわりと匂いたつ。
「当たり前だろ。」
乱暴な物言いが、コンマ1秒くらいの即答で返ってくる。
「男同士のやり方、知ってんの‼?」
嶋は思わず、引っ繰り返った声をあげる。うっさいな、と相手が苛立ちを示す。
「興味あんだから色々買って来たし、アンタを誘っているんだろ。言い出しっぺがやり方を知らないとかありえないし。」
「…。」
確かにそうだけど、と口の開閉を繰り返す若いαに紫がじれったそうな眼差しを向ける。
「…う、初々しくないの、や??」
「やじゃねぇけど‼」
(問題、そこじゃねぇ‼)
紫はもぞもぞと蠢くと、若いαのジャージズボンに手を伸ばそうとする。嶋は、急いで不埒な手首を捕縛する。
「ちょ…っ、何やって…。」
「じゃあ、ヤろうよ。」
鋭い瞳を上目遣いにして…欲情に潤んだ目線が嶋の理性を大きく揺らがせる。受け身のはずのΩが気丈に続ける。
「…僕は、嶋が欲しいの。」
長い時間が経ったように、嶋は錯覚していた。
初体験なんて事実が嘘のように、嶋の本能は眼前のΩの肉体に甘く溺れていった。胸の肉を揉みしだき、口に吸いついて舌を絡める。純白のパジャマを乱して喘ぐΩは、弱点の一つが耳らしい。耳朶を口に含んで吸い上げ、ラインをなぞるとか細く妖艶な嬌声をひっきりなしにあげてみせた。
脇腹や内腿も敏感なようで、嶋が触れる度、Ωの鼓動は激しくなっていく。白い肌は触れた先から薔薇色に染まり、感じている証である甲高い声が漏れる度、唇が大きく戦慄いた。
保健体育の際、机で学習した知識とは比べ物にならないほど刺激的な景色だった。ネットで粗方検索して知ったどのΩの乱れ方より、紫の反応は熱烈で、彼の肉体は支配を深めるほどに美しさを増していった。
先のない二人の饗宴は、時が経つほどに過激になっていく。嶋は罪の意識に苛まれながら、Ωを犯す。紫は若いαに狂おしいほど抱かれながら、純潔を汚していった。
二人は向かい合って座りながら、行為に没頭する。紫の熱くなった分身に、若いαは指先を伸ばし、張り詰めたそれを上下に扱く。角度を変え、強弱をつけ…Ωの嬌声、喘ぎ、表情を眺めながら、彼を追い詰めていく。紫は枕で口元を埋めながら快楽と奮闘していたが、やがて小さな背をしならせ、あっけなく嶋の手の中で果てた。紫の喉から一際切ない声が灼熱の吐息と共に漏れ出る。Ωの両手は嶋の肩を潰す勢いで掴み、足の指は深く深く織り込まれ…一層強く力んだ。膝に乗っけていた嶋は手に取るように、相手の肉体は一瞬強張ったかと思うと、次にはどろりと液体のように筋肉が弛緩していくのがわかった。爆ぜた白濁が、飛沫となって嶋の腹をべったりと汚した。脱力した紫は身体が液状にでもなってしまったかのように、とろとろとシーツに倒れこむ。…初めて他人の手で得る悦楽を知っただろう、ベッドに横たわったΩの肌は、太陽光を受けた雪原の如く、煌々と輝いて見えた。
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