アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
121
-
(もう一度、考え直せ。)
嶋は目を閉じ、深呼吸を繰り返す。
(今まで、オレが考えていた紫ちゃんは二通りあった。)
『…紫が嶋を好きなんじゃない??じゃなきゃ、嫉妬からのあてつけ。』
『…αの嶋には、Ωの僕を好きにしていい権利があるんだよ。』
『でも、毎日食事を作ってくれるなんて、紛れもなく胃腸を掴みにきているだろ??紫が嶋を好きじゃなきゃ、同じ野郎に手料理振舞おうなんて思わないよ。』
『…お前さんが好きだからだろ??』
『紫ちゃんは、オレのこと少なからず好きだと思う。』
『紫ちゃん…、もしかしなくても、オレのこと大好きじゃね??』
(オレに片思いしていて、オレと番になりたくて体調崩すまで夜這いして項を晒した、一途な紫ちゃん。)
『…賭けは、これで全部なしだ。オレは、明日ここを出ていく。』
『…セックスしよ、嶋。』
『一回だけでいいから、今晩僕を抱いてよ。』
『…一回だけで、いいから…。僕を…抱いて、下さい…。』
(理由なら幾らだって並べられる。部屋を出ていこうとしたら、一度だけでいいから抱かれたいって縋りつかれた。未練があるってばかりに。だから、オレはきちんとフッて、けじめのために抱こうとした。)
『…悪いけど。オレは、お前を“好き”にはなれない。恋人にはなれない。付き合うのもなしだ。』
『…それでもいいなら、今夜一度だけ…お前を抱いてやる。』
『ただし、一つ条件がある。…セーフティセックスだからな。妊娠するとは思えないけど、万が一ってのがあるからさ。センセとも約束したし。』
(…ところが、その夜に紫ちゃんはゴムの一部を裂いてオレに着けようとしていた。ここで、後者の紫ちゃんが登場する。)
『あ~…、おかしい。…嶋ったら、本当に僕がアンタみたいなのに興味あるとでも思ったの??』
『αに中出ししてもらうの、ちょっと興味あってさ~…。αの誰かに、抱いてもらいたかったんだよね。』
『…本気にしたの??僕だって、病気を拾いたくはないし。クラスのαならまあまあ安心そうだから、ちょっと餌バラまいたらアンタが食いついてきただけって話。』
『ああ、出ていくの??出てくんなら、見送りくらいはさせてよね。一夏とはいえ、僕はアンタのお世話をしてあげたんだし。』
(αの中出しが目的だったっていう、マジのバカΩ説。…でも、この紫ちゃんの主張はどう考えてもおかしい。病気を拾いたくないは本音にしても、知人のクラスメートをそんなお試し感覚で使うか??夏休み丸々時間かけたところから言っても、普段の紫ちゃんならもっといい方法考え付くだろ。…どう考えても、自分の悪事がバレて話を誤魔化したってのが説得力ある。)
_
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
121 / 146