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さて、紫はというと、木津と一緒にかき氷屋台に並んでいた。自分達の番が思ったより早めに来たので、紫は焦っていた。
「ど、どうしよ…。木津君、注文、決まった??」
「うん。ボク、こういう時は抹茶って決まっているんだよね。紫ちゃんは??」
「まだ決まらないや…。いちごの練乳がけとか、良いよね。でも、ブルーハワイとか…。木津君の言う抹茶も捨てがたいし…‼何といっても、後ろの列がっ‼」
必死にメニューと睨めっこしつつ、早口に捲し立てる優等生に木津は笑う。
「紫ちゃん、その決断力のなさ、マークシート系で迷った時は向いてないね。」
木津は、何とも言えない評価を紫に下した。
数分後。二人はイートイン用に作られたテントの中で、手にしたかき氷をつっ突いていた。紫は迷走の末、ブルーハワイ。木津は抹茶を選んだ。
先端を斜めにカットし、スプーンのように加工した縞々のストローで、かき氷を一口すくう。
…ストローの柄は紫が赤と白で、木津は青と白だった。
「あっ、キーンってきた。」
「僕も…頭痛ぁ…。」
夏特有の痛みに襲われながらも、二人はかき氷を食べ進めていく。ふと、木津が藪から棒に言い出す。
「…そういや、紫ちゃんはいつか言っていた欲しい物、手に入った??」
「え??…僕が欲しい物って、何だっけ??」
氷を口に運びながら、紫が問い返す。いやだなぁもう、と木津はにっこりと笑ってみせた。
「嶋の遺伝子♪」
「ぶ…ッ‼」
不意打ちをもろに食らった紫は、ごほごほと派手に噎せる。大丈夫~、と確信犯は背を繰り返し撫でてやる。
「木津君、わざとおちょくったでしょ…??」
ぎり、と紫が睨みつけるが、相手はにへらと涼しげに微笑む。
「ええ~??いやいや、狙ってないよ~。ボクちん、結果が知りたかっただ・け☆」
「急に嘘くさいな…。」
酷い目にあった、と肩を竦ませる紫に、木津がはしゃいだ声をかける。
「あっ。…ねえねえ、紫さん‼ボク、ベロが緑ィ~‼」
んべっとあっかんべーした木津の舌は、確かに表面に緑色が乗っている。紫も笑って、舌をちょっぴり出してみる。覗き込んだ木津が、手を叩いて喜ぶ。
「ふふっ‼紫さんの舌も青~い‼」
手を差しだして、木津が紫に言う。
「ボクら、お揃い‼」
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