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「おつかれ、幸樹」
「あぁ、優雅。」
珈琲を2つ持って、優雅が俺の隣の席に座る。
珈琲を前に置かれて、「ありがとう」と言いながら優雅と同時に珈琲をすする。
「甘っっっっ!!!」
「苦っっっっ!!!」
そして、同時に叫んだ。
「...これ反対だな」
「うわ〜...俺苦いのまじ無理なのに...」
ぶつぶつと愚痴を言う優雅を横目に優雅が飲んでいた珈琲を飲む。
「この苦さがいいのになぁ」
「はぁ...俺は甘いのがいいかな」
そんなことを話していたら、プライベート用のスマホが鳴った。
パッと見ると「夏」と記載されており、ワンコールでとる。
優雅に「わぁお熱だねぇ」と茶化す声が聞こえてくるが、無視しながらスマホを耳につける。
「っゆう兄!助けてっ...!」
ピッと出ると、突然大きな声で夏が叫んだ。
向こうの夏の声の様子に、必死なのが伝わってきて、真剣な顔になる。
「夏?」
「いまっ追いかけられてて...」
そう夏が言っている途中で、プツッと声が途切れる。
「逃げんなよ、俺怒ってんだけど」
そんな言葉が聞こえて、眉間にしわを寄せる。
「っ夏!?」
そう叫んでも、夏からの返答はない。
結局、プーっプーっと電話が切れた音が聞こえただけだった。
「...どうしよ、夏が」
パッと優雅の方を向くと、険しい顔をした優雅が、ぽつりと呟いた。
「...凪...?」
「え、凪?」
「あぁ、いや。
スピーカーで聞こえてたけど...
その、追いかけられてた夏って子...」
「っ俺の大事な人、なんだ。」
必死でそう伝えると、優雅がガタッと立ち上がった。
「わかった、行こう。」
「え、行くって...どこに」
そう伝える前に、優雅がオフィスを飛び出した。
「あっ...おい!」
俺も優雅の後ろをはしった。
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