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俺が優雅の背中を必死で追いかけている中、
優雅は走りながら
誰かに電話をしているようだった。
「ーーに、分かった。
早急に頼む。」
誰に電話をしているんだ...?
そんなことを思いながら、やっと優雅に追いつく。
「っおい!一体どうした...」
パッと腕をつかみ、優雅が振り返る。
その優雅の顔に、思わずひゅっと息を飲んだ。
その顔は、今まで見てきた優しく穏やかな優雅とは真反対で
物凄く冷たい顔をしていた。
「っ......」
少し恐怖を感じ固まってる俺の顔を見て、はっと優雅が我に返る。
「...ごめん、状況を説明してなかった。」
冷静になった優雅を見て、ホッと安堵する。
「さっき電話していた人は誰なんだ?」
「あぁ、俺の部下」
あまり触れて欲しなさそうな様子なので、深くは追求しなかった。
「...さっき言っていた「凪」というやつは誰だよ?」
「俺の親父の友達の息子。
...あいつが夏君のこと追いかけてるって聞いた時、嫌な予感がしたんだ。
あいつ、自分が手に入れたいものは全部手に入れる主義でさ、もしかしたら夏くんも...」
そう聞いた時、ハッとさっきの記憶が脳をよぎった。
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『恋人とかと行かないの?』
「あー、実はいないんだよなー……
っそっちはいないの?」
『あ…えと、こっちは』
『…いるよ』
「………………」
『…ゆう兄?』
「えっ、あ、ごめん。
そ、そうなんだ。どうだ?可愛い?」
『そういう話はまたにしよ?誘い、受け取ってもいい?』
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もしかして...夏が言ってた恋人って...
「だから...」
「優雅」
優雅が話を続けようとしたのを、遮るように言った。
「早く行こう」
多分、今の俺の顔は怖いだろうな。
優雅は俺の声にハッとして、「こっち」と走りだした。
(...夏、無事でいてくれ)
そんなことを考えながら、優雅の案内にそって走った。
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