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「……おし、じゃあ行くか」
幸樹に連絡し終わった優雅がスマホをポケットにしまって言った。
その言葉にコクンと頷いて、優雅の後に続いて歩いた。
目的地には何分もかからなかった。
地下で経営しているバーに、凪がいるらしい。
(……でも、なんでそんなこと優雅さんが知ってんだろ?)
そう疑問に思って優雅の顔を見るが、その疑問は優雅の言葉で頭からかき消された。
「…ここだ。」
目の前には大きなビルが立っていた。
「この地下に?」
「あぁ、行こう」
そういう優雅は少し焦っているように聞こえた。
地下2階まで階段を下ると、目の前には薄暗い、嫌な雰囲気を漂わせていた扉があった。
「……」
すると、優雅は扉に少し耳を近づける。
その途端、雅志でも聞き取れるほどの声が聞こえた。
『った...すけ...て...はぁ...は...ゆ、う兄...』
瞬間的に、優雅さんが扉を勢いよくあける。
その顔は、いままででも見たことの無い、怒りと冷たさを具現化したような表情だった。
「っなんだ!!」
そう叫んだ男の表情は、明らかに焦りと困惑を浮かべていた。
その男の下には、床で押さえつけられている、裸の男の子がいた。
その姿を見て、頭に血が上っていく。
凪はその男の子の顔を掴んでいて、男の子の頬が赤くなっており、凪が叩いたことは一目瞭然だった。
優雅の顔を見た凪は、一瞬で真っ青になった。
「よくも俺の友達の大切な人、傷つけてくれたなぁ...?凪よ」
そう言う優雅の声は、冷静だがその奥底に宿った怒りが読み取れた。
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