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優雅はそう言って凪に近付くと、凪の顔を殴り始めた。
周りの男はオロオロしていたが、直ぐに非常口から逃げ出そうとする。
「まっ……!」
「待て」と言いそうになるが、優雅の後ろについていた大柄の男がぱっと動いて逃げ場を無くした。
その行動を見て、優雅の『優秀』という言葉を思い出した。
(優雅さんの部下って何者だよ…)
ちょっと…いや、結構驚いていると、男の子が震えていることに気づいて、すぐに駆け寄る。
多分この子が幸樹さんの…
そう思いながら、男の子の肩に触れると、ビクッと肩が震えた。
そんな様子の彼に、思わず胸が締め付けられる。
とりあえず、手が拘束されているから外さないと、と思ってると、その男の子が必死になってすがりついてきた。
「っかったー、を...ハァ...くださ...」
突然の言葉に驚いたが、すぐにポケットの中からカッターを出して、手を拘束していたマフラーを切った。
すると、持っていたカッターを男の子が奪い取り、自分の腕に切りつけた。
その様子を、目を見開いて見ていたが、すぐにハッとして、カッターを持っている手をおさえようとする。
「っちょ!?なにしてんの!」
そう叫んで、止めようとするが、それに抵抗して男の子はどくどくと血が流れる腕に何度も深くカッターを切りつけている。
だが、男の子も弱っていて、すぐにカッターを取り返す。
男の子は自分の腕を愛おしそうに見て、呼吸を整えていた。
「……」
そんな彼を険しい顔で見ていると、男の子が自分の姿を思い出したのか、咄嗟に自分のズボンで体を隠す。
そんな彼の姿に、また心が締め付けられて、考えより先に彼の手を掴んでしまう。
パチッと音が鳴って、男の子が自分の手を払ったということがわかった。
「…ぁ」
反射的だったのか、男の子も自分のした事が信じられないといったように目を見開いた。
(流石にこの状態じゃ混乱するか……)
そう思って、殴られてる凪じゃ話にならないから、大柄の男に胸ぐらを掴まれて震えている男に聞いた。
「...とりあえず、風呂に入ろう。
おい、ここに風呂は…」
「風呂はあるか」と聞こうとすると、目の前でドサッと男の子が倒れた。
その音と共に、バーの扉が勢いよく開いた。
「夏!!」
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