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幸樹が倒れた男の子に駆け寄る。
(やっぱり、幸樹さんの大切な人はこの子だったか…)
すると、幸樹さんの顔には混乱の感情があらわになる。
「……幸樹さ」
幸樹の名前を呼ぼうとしたら、後ろからドサッという音が聞こえた。
ぱっと振り返ると、殴られて気絶している凪と、手が血だらけになってる、いつもの穏やかな雰囲気ではない優雅がいた。
幸樹も振り返ろうとしたので、咄嗟に幸樹の目を手で塞いだ。
「え、ちょ」
困惑する幸樹だったが、それよりも優雅の方を優先した方が良さそうだと思い、優雅に問いかける。
「っ優雅さん…いつまで殴ってたんですか」
「……しらね」
「…取り敢えず手、洗いましょう。
幸樹さんはあんま見ない方がいい。
それより男の子、風呂に入れましょう。」
今優雅と幸樹がこんな有様になっていると、自分が指示しないとダメだと確信し、幸樹にすべきことを指示した。
「っあぁ…」
「…洗面台どこだ」
そう言って、優雅は手を隠して洗面所を探しに行った。
店内から優雅が居なくなると、ホッと一息ついて、幸樹の目を隠していた手を外した。
「…雅志、風呂を探そう」
さっきまで混乱していた幸樹も動き出し、立ち上がった幸樹を見て一安心する。
「分かりました。
……ぉいしょ」
取り敢えず男の子をここに置いていくことも出来ないので、男の子をいわゆるお姫様抱っこをする。
それを見た幸樹は、少し困惑したように雅志の顔を見た。
そんな様子に、幸樹がこの男の子のことが好きなのが見て取れた。
しかし、それより気になることがあり、風呂を探しながら幸樹に言った。
「……軽い、ほんとに。
この子どんな生活してるんですか」
さっきのリスカも、この子の精神面が不安定だったことは一目瞭然だった。
幸樹はさっきから気になっていたのか、ちらちらと男の子の腕を見ていた。
「…分からない。
俺は、夏のことが何も知らないんだ。」
「……夏って言うんですね、この子
…当分は目は離せませんね、夏君、相当精神面が不安定です。
もしかしたら、自殺してしまう可能性もある。」
そういうと、幸樹は雅志の言葉が信じられないと言うように雅志の顔を凝視した。
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