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しばらく店の裏の部屋を回っていると、洗面台と、風呂らしき場所を見つけた。
「あ、ここですね…幸樹さん?」
雅志が幸樹に話しかけるが、幸樹は何か考え込んでいるように何も答えなかった。
雅志が不思議そうに、もう一度幸樹の名前を呼ぼうとしたら、急に幸樹が言葉を発した。
「…これ、どうやって風呂に入れるんだ」
「え、あぁ…そういうことですか。
俺に任せてください。」
そう言うと、幸樹はパッと雅志を見た。
その目は、不安、嫉妬などの気持ちが読み取れて、苦笑した。
「変な勘違いしないでくださいね。
俺、こう見えても看護の仕事してるんで、風呂入れんの慣れてるんです。」
そう説明すると、ホッと幸樹が息を吐く。
どんだけ好きなんだ…と思い、雅志は幸樹を見ながらクスッと笑った。
そんな会話をして、洗面所に入る。
すると、洗面台の前で立ち尽くしている優雅を見つけた。
手は洗ったようで、べっとり付着していた血は綺麗さっぱりなくなっていた。
「あの、優雅さん」
そう優雅に喋りかけると、ハッと我に返ったように振り返った。
そこには、いつも通り、笑顔の優雅がいた。
(さっきの優雅さんが幻覚みたいな感覚にまでなっちまうな、これ)
末恐ろしい...と思っていると、笑顔のまま優雅が話した。
「夏くん、風呂に入れるの?」
「え、あぁ、はい。
このままだと腹壊すし、病気にかかっちゃうかもしんないんで」
「そう、あ、幸樹...
今、話したいことがあるんだけど、いいかな」
「え、あぁ。わかった。」
急に話を振られた幸樹は、少し困惑したが、こくんと頷いた。
「ここで話すのもなんだから、あっちで話そ」
そう言って、優雅は奥の寝室らしき部屋を指さしてそこに向かい、幸樹も優雅について行った。
2人が去ると、雅志は夏を風呂に入れるべく、体勢を変えて夏を抱え直した。
すると、夏の下半身からたらりと白い液体が垂れてきた。
その液体が直ぐに何かわかった雅志は、夏の顔を見ると、心がキュッと痛み、目を細めた。
苦しそうな顔の夏の頭を撫でると、ガチャっと風呂のドアを開けた。
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