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色づく1
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今日から俺の家となる目の前に聳え立つ建物は
赤、青、緑、黄色、紫と様々な色で塗りたくられていて
その家の塗装に、目がチカチカとしてしまうほどだった。
普通からは遠のいた家のせいで
募っていく不安を抱えつつその扉の呼び鈴を鳴らした。
「はいは〜い。ちょっと、お待ちくださぁいな」
開けられた扉から出てきた緩い喋り方をする人は
俺を見てから目を丸めると
「おぉ!………新入りさんじゃないかぁ〜。」
思いっきり、抱きついてきて頬ずりをされた。
まるで、お気に入りの人形でも抱きしめるみたいに。
「く………るし。苦しいですっ………!」
「え?……あぁ、ごめんよ。皆んなにも言われるんだけど、距離感バカ。クソ変態。死ね、二度と起き上がってくるなそして死ね、とかね。もう、愛があって困っちゃう」
唐突に、抱きついてきたその人から解放されたものの
軽く恐怖を覚えているとその人がいきなり床に前のめりに倒れこんだ。
「………クソ変態。余計なことしてんじゃねぇ」
緩い人の後ろから飛んできた声の主に視線をやると
片足を突き出しながらキレかけていた。
「痛い〜。芸術家の手が折れたらどうしてくれんのさ」
「大丈夫だ。そん時は、芸術的に綺麗に折ってやるから」
「え?!本当に?」
嬉々とした表情をする緩い人に取り合っていても無駄だと感じたのかその人を押しのけて、切れかけていた人に居間らしき所へと案内され、備え付けのソファへと腰かけるよう促される。
「えっとぉ。緑ちゃんが、今、いないから説明すると。あれ、どこやったっけ………。あった、あった。」
「………これは何ですか?」
大方、手渡されたのはこの家でのルールだとかそういうものだと思っていたんだけれど、渡された紙を何度見直してもただの白紙の紙で何も書いていない。
「そこに目標をかけ。それが、ここの唯一の決まりだからな。」
「………目標?」
紙と一緒に渡されたペンを握るが
何を書いていいのかはわからずに手が止まってしまう。
「まぁ、とりあえず。詳しいことは、緑ちゃんが説明するから。家の中の探検でもしてたらいいんじゃないかなぁ?あ、これ。………鍵ね」
緩い人から渡された鍵をおぼつかない心持ちの中受け取るが、俺の頭の中は真っ白い紙のことでいっぱいいっぱいだった。
「あ、僕ね。黄緑 なつめって言うんだ。こっちの怖い顔の不機嫌そうな顔の人が、青生真斗っていうんだー。あ、因みに僕たち高校2年生、ピッチピッチの17歳でぇーす。よろし〜くね。」
「よろしくお願いします。」
挨拶をしていなかったことにようやく気づいて頭を下げると、黄緑さんはカラカラと笑った。
「そんなに改まらなくたっていいんだよ?まぁ、ゆっくり考えてね。」
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