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「どうして……俺に何も言わずに……」
「………」
「なぁ、黙ってないでさ…
なんとか言ってくれよ……」
優は何も言わない。
あの時も、今だって……
ただ黙って、
俺を悲しそうな笑顔で見つめる。
「…何を言っても…ただの
言い訳のように聞こえるかもしれないけど」
少しの沈黙のあと、
優がしゃべり始めた。
「けど……?」
「俺は洸介のこと、本気で好きだった。
あの時も本当は離れたくなかったよ。
でも、洸介の母親にあんなとこ見られて
二度とうちの子に近づかないで。
家庭教師もクビ。
なんて言われて....
でも、そんなのもただの口実で…
本当は怖かったんだ。
男同士っていう壁が。
世間の目が。
お前に、溺れるのが。」
「な……んだよ…それ……」
「お前のことを
これ以上好きになってしまったら...
俺はどうなってしまうんだろう...
あの時はそれが怖くて、恐くて...」
「………」
俺は何も言えなかった。
母さんには全く違う話を聞かされてた。
優は自分から家庭教師を辞めた、とか
俺とは遊びだから気にしないでくれ。
って言われた、とか
優の立場が悪くなるようなことばかり。
俺が見てきた優は全然そんなんじゃなくて
その名前の通り優しくて、かっこよくて。
だからもちろん信じてなかった。
だから、また会いに来てくれると思ってた。
でも、いくら待っても来なくて、
連絡も取れなくて…
だから、もしかして母さんのいうことは
ホントなんじゃないかって…
俺も優のことを信じられなくなっていた。
「やっぱ、違うこと聞かされてたか…
何度も後悔した。
ほかの人を好きになるのが恐くなって…
でも、やっと好きになれた人がいるんだ。」
「それって、弟くん?」
「うん……」
そう、うなづいて、
優は優しい顔で笑った。
「洸介も、好きな人いるんじゃん?」
「は?!」
「隠しても無駄だよw
俺の目はごまかせないよ♪」
「な…にいって……」
ボソ………………
「っ!!////」
「あってるだろ?」
優は耳元で囁いて、ドヤ顔をする。
ゆ、う、す、け、く、ん、だろ?
まったく、優にはかなわないな…
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