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それから、何度もおじさんに頭を下げ、
俺の家へ帰る帰り道。
いつものように煉が隣にいる。
その事にこの上ない幸せを感じる。
「認めてもらえて、よかったな」
「うん…」
「…なんか、浮かない感じだけど?」
てっきり煉のことだから見かけに似合わず
もっと飛び跳ねたりして喜ぶかと思ったのに
なんだか浮かない顔をしている。
「認めてもらえたのはすごく嬉しい。
本当だよ?本当に、嬉しいんだけど…」
「けど、なに?」
「健に……嫌な思いさせた…」
「……」
本当にこいつは……
「何そんなこと気にしてんだよ」
「でも、たくさんひどいこと言われたし
俺、分かってたんだ。
健がなんて言われるか、
俺たちのことをどう思われるか
俺たちの関係を知ったらおじさん達は
真っ先に健を責めるって、俺わかってたんだよ…
だから、健とおじさんたちを
会わせたくなかった…」
うつむいてゆっくり歩きながら煉は言った。
「あのな、煉。
もちろん俺だって色々言われて
平気だったわけじゃない。
でも、おじさんやおばさんの言葉には
煉に対する愛情がこもってたと思うぜ?
だから俺は、何を言われても、
どんな言葉を浴びせられても受け止める。
そう覚悟して煉の家に行ったんだ。
なんの覚悟もなしに
ただのこのこ挨拶だけしに行ったんじゃねーの!」
煉の前に立ちはだかり、
ドヤ顔で言ってやった。
「…健………」
「お前は…んとにすぐ泣くよな、
デカイ図体してるくせにさw」
「な…いてなんか…ない…っ……」
そう言って強がる割には
抱きしめてやると胸に顔をうずめて
俺の服にしみを作っている。
今まで1人で
いろいろ抱えさせちゃってたんだな…
梨華の時も、今回も……
いつだって俺はこいつの本心に気づいてやれない。
助けを求める声に気づいてやれない。
……情けなくて嫌んなるぜ…
でも、せっかく周りの人達に認めてもらえたんだ。
全力で、大事にしていくから。
愛してる…煉………
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