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「…ん……けん?……健!」
「…えっ、あ、ごめん、何?」
「ぼーっとしてるから…どうかした?」
「あ、や…なんでも……」
「なんでもないとか言わせないからね」
うっ……
ごまかそうとすると、
すかさず煉が言葉をさえぎる。
「ただ…」
「ただ?」
「ただ、俺はホントに、
煉との未来を考えられてたのかって…」
「うん?」
煉は特に何をいうわけでもなく
俺の次の言葉を待った。
「いつも話をする度に思うんだ。
俺は将来を2人のものとして考えてるって、
そんな口ぶりで話すけど
実際は煉の方が俺らのことちゃんと考えてて…」
「健…」
「だから、ホントに俺はこの先を、
2人の将来を考えられてるのか
その先の覚悟がちゃんとあるのかなって
まだビビってんのかなって…
ただ…不安になって…
自信ない気がしてきて……」
俺…こんなこと思ってたんだ……
口に出して初めて実感する自分の本音。
「健、俺は別に怖くないわけじゃないし
明確に将来を考えられてるわけでもないよ。」
「え……?」
「むしろ…
むしろ怖くて自信がないからこんななんだよ」
「……??」
俺は煉の言っている事の意味がわからずに
首をかしげた。
「怖くて自信がないから、保険をかけてるんだ。
もし何かあったときのために、
とっさに何か出来たり、
落ち着いたり出来ないからさ、俺は。」
だから…と、煉は話を続けた。
「だからむしろ、俺は健の方が自信持ってて
俺との未来を考えてくれてると思うよ?
俺から将来2人でなんて話したこと無いでしょ?」
そういって煉はにこっと微笑んだ。
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