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生徒会名簿
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2018年4月お礼
葵Side(会長補佐)
* * * * * * *
満開だった校門にある桜も散り、今日は始業式。
僕は今日から高校二年生、そしてとうとう補佐役から生徒会の会長に昇進する。
思えばいろいろあったなあ……。
何も分からない状態から生徒会に入り、いろいろ先輩達に教えて貰った。
意外なことに兄さんも丁寧に仕事を教えてくれ、とても充実した一年だった。
昨年度の生徒会は今日で解散し、始業式の後の新二年生の総選挙で本年度の役員候補が決まる。
エンターテイメント性のある抱きたいと抱かれたいランキングの上位者から役員に任命したい人を選び、それぞれの役職に振り分けるのが新生徒会、会長の僕の役目だ。
去年は羽柴先輩がその役割を担い、兄さんが反発していろいろあったみたいで。
それを思うと僕も不安になるけど、ちゃんと役目を果たさなきゃ。
先輩達のいない生徒会室はどこか淋しくて、なんとなく窓から向かいの校舎の屋上を見上げる。
そこは兄さんがサボる時のとっときの場所らしいけど、僕はまだ行ったことがない。
「葵君、新しい生徒会名簿貰って来たよ」
「……あ」
ドアが開いて、思わず振り向いたら隼人君が立っていた。
副会長補佐の隼人君も僕と同じ、そのまま繰り上がりで副会長に昇進する。
パラパラとめくったそれは真新しくて、やけに白いスペースが目立つ。
当然だけど会長と副会長の欄しか埋まってなくて、なんだか切なくなって他の欄を指でなぞった。
「淋しくなりますね」
「うん」
始業式の後に全校生徒で投票をして、即日開票される。
放課後には開票が終わっていて、ランキングの上位者から声をかけることになっている。
週末には生徒会役員の任命式があり、正式に新しい生徒会執行部が発足する。
そしたらまた賑やかになるんだろうけど、それでも先輩達がいないのは淋しくて。
「葵君、あとはよろしくね」
「はい!」
昨年度末の最後の生徒会で羽柴先輩からバトンを受け取ったから、よろしくされちゃったから頑張らなくちゃいけないけど。
正直、羽柴先輩みたく出来るのか不安になるけど、全身全霊を込めて仕事に取り組まなきゃ。
昨年度の生徒会名簿を棚の奥に仕舞い、新しい名簿を棚の前面に仕舞った。
羽柴先輩、兄さん、一年間ありがとう。
先輩方も。
羽柴先輩に比べたら頼りないかも知れないけど、僕は新しい仲間と学校をよくして行くことを心に誓ったのだった。
END.
※今回はBL要素がなかったですね。
現生徒会役員の任期が終わって、次期生徒会に引き継いだ後のお話です。
葵は書記の要(鷹司)の弟ですが、健気な頑張り屋さんで翼(羽柴)のように真っ直ぐな性格です。
現在の連載が完結した後は翼と彼氏がいちゃいちゃする続編の連載を開始する予定ですが、次期生徒会のお話もいいかも。
そんでもって、次期生徒会執行部も生徒会長総受けから固定CPへの流れの予感(笑)
ありがとうございました。
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