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この気持ちの先にあるもの
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なんでこいつがこんなに可愛くて仕方ねぇのか
わかんねぇけど
でも、壊したくなる
こいつの笑った顔を、泣き顔に変えたい
泣いた顔がたまらないなんて
俺もだいぶ頭いってんな…
「赤城…も、やめて…くれ…っ!」
「あ?」
「ぁぁあ…〜〜くっ…ひんっ」
(やめてやるわけ…ねぇだろ!)
ズンっ!
奥まで行くように思いっきり突いてやると
山根の喘ぎ声が部屋に響いた
男のくせにポロポロと涙を零しながら
山根は絶頂を迎えた。
薄汚れたこの部屋の壁に二人分の
精子が飛び散っていた。
床に落ちる頃には
混ざりあって乾いてしまっていた。
山根はしばらく何も話さなかったが
少し経つと、こっちを見ないまま口を開いた
「お前…なんでこんなことしたんだよ」
「あ?んなの…」
「なんだよ」
「いや…なんでだ…」
「はぁぁあ!?」
たしかに俺はなんでこいつを抱いたんだっけ
少しいじってやろうと思ってただけなのに
なんでだ????
「意味わかんねぇし、マジで許さねぇからな」
「許さねぇでいいけど…」
「ぁ?何見てんだよ」
パシャッ
「おまっ!」
「りんご姫の乱れた姿を公開してもいいなら、誰かに言ってもいんじゃね?」
「きったねぇやつ…」
「なんとでも言えよ」
こっちはそれ以上にこの気持ちの正体が
何なのかで頭いっぱいだっつの
これ以上こいつといたら
変な事言っちまいそうで
やべぇ…
早く帰っちまおう
「じゃあ俺、帰るわ」
「は?」
「お前もさっさと帰れよ」
「お前!待てよ!」
「なんだよりんご姫」
「その変な名前で呼ぶな!」
「じゃ」
「だーー!!もうそれでいいから!とりあえず待て!」
(やけに必死だなこいつ)
「で、何?」
俺はこいつの前に腰掛け
少し下を向く顔を覗き見た
(赤い…)
その顔を見てまた俺は全身が
痺れていくような感覚を覚えた
「…っ…立てねぇ…」
「は?」
「だからっ!テメーのせいで立てねぇんだよ!
なんとかしろこのカス!」
「ぶっ!!!」
「てめぇ…!笑ってんじゃねぇ!マジなんだよこっちは!!」
「ひー、笑ったw
わりぃわりぃwww」
「……」
「んな顔すんなって責任もって送ってやるよ姫さん」
「や、そこまでは…大丈夫…だから!」
「あ?立てねぇんだろ?…まぁ俺がやりすぎたのは事実だしそれくらいするわ」
「変なとこ律儀にしてんじゃねぇよ」
「うっせ」
「!」
「ん?なんだよそんなあほ面して」
「あほ!?」
「ん?」
「なんでもねぇよ!!!」
喧嘩してトップになるため
ダチなんて切り捨て続けてきたから
なんかこーゆーの久々だな
悪くねぇな
きっとこの気持ちの正体は
まだわかんねぇんだろうけど
こいつとしばらくいれば
わかる気はする
だからもう少しだけ
こいつの喧嘩相手でいる
それからはきっとダチみたいに
笑ってられる気がした
こいつとなら
ほかのやつとは違う
あがり症のくせに
必死にそれ隠して
ヤンキーやってる
芯のある男
あの時ちゃんとセーブしとけば
よかったのにな
俺が喧嘩しかできねぇ馬鹿なのを
後悔する日が来ることを
まだ知らずに
お互いただ笑っていた
汗ばんだ体も落ち着き
服を着直して
山根の細い腰と肩を支えて
まだ明るい空の下
二人揃って学校をサボった。
こんな当たり前の事でも
こいつとならいいかなんて
思いながら。
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