アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
2
-
ある日事件が起きた。
俺がリハビリから帰ってきた時に、彼の元に後輩がお見舞いに来ていた。彼の後輩は嬉しそうに彼にユニホームを見せていた。彼もまた彼の後輩の努力を褒め、嬉しそうにしていた。病室内に明るい声が響いていた。
これの後輩が帰った後にいつもお見舞いに来ている彼の兄が来た。俺のところにもキャプテンと副キャプテンが来て、試合のフォーメーションを決めていた。四人部屋で、他の二人はどこかへ、行っていた。
俺のベッドはカーテンを閉めていなかったが彼のベッドはカーテンを閉めていた。そしてその中から彼の泣き声が聞こえてきた。啜り泣くような声ではなく、とても悔しいそうな声だった。彼は時々落ち込んでいたりはしていたが誰かの前ではいつも元気だった。決して泣くような子には見えなかった。
キャプテンと副キャプテンが気まずそうに俺の顔を見ていたが、俺は彼の嘆きを聞くことしか出来なかった。俺たちは音を立てないように、静かにしていた。というより、移動出来なかった。彼の言葉が深く深く俺に突き刺さって。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
8 / 11