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『兄さん、今日ね後輩くんがユニホーム見せに来てくれたんだ〜ぼくさ、すっごく嬉しくて、部活中も一生懸命で、そこまで歴も長くないからこそ頑張っていて、ずっと応援してて、でも絶対負けない、ぼくが引退するまでぼくの背中だけを見ていて欲しくて、笑顔で次は任せたよって託したくて、、、でもね、凄く嬉しいのと裏腹に、ぼくの中で嫌な考えが溢れてきて、あのユニホームは、あの番号は、ぼくの番号だ!って、そこで試合をするのはぼくだ!って、兄さんからトスを貰うのはぼくだっ!て、嬉しいのに、嬉しいはずなのに、すごく凄く苦しくて。』
「あぁそうだな、お前は誰よりも努力していたな。」
『チームメイトに馬鹿にされたこともあった、身長が小さいからお前には無理だと否定されたこともあった、でも、、、諦めたくなくて、、、まだ戦える、まだ負けたくない、、って、たくさん勝つ方法を探した、ブロックに捕まらない方法だって、狙って決める方法だって、相手が打ってくる場所を見極める方法だって、それを取得するために練習だって人一倍した!運動音痴のぼくができる唯一の競技がバレーだった。だから、ぼくはこれだけで良かったのに、、、それすらも奪われて、、、後輩くんにもたくさんアドバイスをしたよ?チームのためになるならって思って、でもアドバイスをすればする程苦しくて、、、くる、し、くて、、』
「俺もお前がいると心強かった。お前にあげれば点を決めてくれる。そしてお前も嬉しそうに打つそれが嬉しかった。」
『こんな体になった今でも、今だから、凄く惨めで、バレーに依存して、バレーに執着して、まだって考えても、、もう結局ダメで、ぼくにできる精一杯のことを皆にしたいのに、皆が羨ましくて、ずるくて、、、だって、、ぼくが一生懸命走っているときにあいつはぼくを馬鹿にしたんだよ。どうせ見てないからって、そんな皆はバレーができて、バレーを一途に思ってバレーのためにたくさんのことを犠牲にしてきたぼくはもうバレーが出来なくて、、もっと、、もっと兄さんとバレーがしたくて、、、皆がぼくを追い越していって、、置いていかれた気に勝手になって、、、苦しくて、、悔しくて、、辛くて、、なんでぼくだけって、、、もうわかんないよ、、、、』
「俺はお前のために勝ち続ける。お前は俺のために笑っていればいい。お前がチームの一員であることは変わらない。ダサくたって惨めだって思うってことは、それほどお前はバレーが好きだってことだろ。俺はお前の笑顔のためにバレーを続けるよ。今は泣いたっていい俺が受け止めてやる、でも次泣くときはチームのために、俺のために、勝った時に泣くんだな、その涙を俺が受け止めてやる。」
『にぃさん、、、ぼく、ぼく、、、』
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