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小夜は、めちゃくちゃ真剣だった。
風見さんの車で、助手席には風見さんを乗せて、ぜっったいに事故らないように、ぶんぶん指差呼称もした。
自動車教習所で習ったことを思い出しながら、ちゃんとミラーも確認した。
だって、風見さんの命を預かっているんだもん!
「ハ、ハンドル戻して!!」
ガックン。
さっきから、道が悪いのか車が上下する。
遠くでガサガサ音がした。
「さ、小夜ッ!あそこで止まろう!一旦、止まろう!」
「はい!!」
後ろと左のミラーを確認して、ギュッとブレーキを踏んだ。
「・・・ぅんッ!!」
風見さんが、変な音を出した。
ブレーキを踏んだまま、ギアをパーキングに入れて、サイドブレーキを踏んだ。
後ろ、良し。
えっと、ハザードランプ押すの忘れてた。
「・・・よし!」
全て確認して風見さんを見ると、汗だらだらになっていた。
「暁さん、熱い?」
「あ、熱いのかな、寒いのかな・・・。」
ん?
「さ、小夜。ずいぶん・・・その、メリハリのある運転だったね。」
「そう?ちゃんと出来てた?」
風見は悩んだ。
肯定したら、世界が滅びそうな気がしたのだ。
「も、もう少し優しくアクセルを踏むといいよ。」
「アクセルね?」
いやいや、ブレーキもだ!
「す、全てにおいてかな。」
「なるほど。」
小夜は真面目だ。
ちゃんと胸ポケットからメモ帳を取り出して、俺のアドバイスを書き込んでいた。
だが、いまわかることは、そこでいくらメモしても意味がないのだ!
超、怖かった。
ど下手くその運転に、気が遠くなった。
「小夜、広い道に出るまで、俺が運転するから。」
「ん?・・・うん、ありがとう。」
ふらふらする足で、運転席へと向かった。
住宅街での練習は危険だということがわかった。
なら、工場地帯の広い道で練習した方が良さそうだ。
風見は小夜と席を交代し、工場地帯へ向かった。
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