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かなり運転する感覚が取り戻せた気がする。
小夜はペーパードライバー講習の感想で、そうお父さんに伝えた。
小夜の後ろで、風見がぶんぶんと首を振っていたが、小夜自身は気付いていない。
風見の様子を見て、父親は苦笑した。
「しばらく乗らないと、また忘れてしまうからね。また泊りがけで練習に来なさい。」
「はい!」
そんなわけで、風見の運転する車に乗ってふたりのマンションへと帰ってきた。
正直、風見はクタクタだ。
精神的苦痛を受けた結果、さっきからあくびが止まらない。
それでも、小夜の頑張りたいという気持ちを否定する気になれず、また運転の練習をしようと約束してベッドに入った。
美湖ちゃんは、車の中でぐっすり寝た。
そして、寝ている状態のまま、お母さんの元へ帰した。
「いつもすみません。」
「いいえ!おれたちも楽しいんです。」
小夜から美湖ちゃんを受け取った、お母さんの顔色が悪かった。
「あの、桜井さん。」
「はい。」
ゆっくり休んでというのは簡単だ。
だけど、美湖ちゃんのお母さんに言うのは躊躇われた。
毎日、必死に働いていることを知っている。
「いえ。あの、おやすみなさい。」
「はい、おやすみなさい。」
小夜はペコリと頭を下げると、桜井さんの部屋の扉を閉めた。
おれが倒れた時、風見さんが帰ってくるまで看病してくれた優しい彼女の体調が、とても気になったけど、ミシン掛けしながら美湖ちゃんを待っていた桜井さんに「お仕事は程々にして、たまには休んでください。」なんて軽々しく言えなかった。
あのミシン掛けしていた服は、おそらく動物用の服だ。
きっと、内職をしているのだろう。
でも、・・・顔色悪かった。
小夜は、気になりつつ風見の待つ部屋に戻った。
明日、何か差し入れ出来そうなものを作ろう。
元気になれそうなものと言ったら、やっぱりお肉だろうか。
それと、根菜類は体を温めるから・・・筑前煮、作ろうかな。
レンコンをたくさん入れて、免疫力アップしてもらうのと・・・、あとは・・・。
豚汁も良いかも。
大人の分は、生姜をたくさん入れても良いよね。
あれこれ考えながら、風見さんの顔を覗き込んだ。
ふふ、本格的に寝ちゃった。
明日は朝からお風呂に入ってもらわないといけないから、30分早起きだね。
「・・・ゃ、ブレーキ・・・。」
ブフッ。
夢の中でも、教えてくれてるんだ?
優しい旦那様にキスをひとつ落として、小夜はシャワーを浴びに浴室へと向かった。
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