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24 2019年8月7日
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おれの中でカウントダウンが始まった。
女々しいって思われるかもしれないけれど、明日は風見さんと初めて出逢った記念日だ。
色々この一年あったけれど、愛を知る事ができた濃い一年だった。
お祝いしたい気持ちが強くあったが、それと同時に気になる事があった。
美湖ちゃんのお母さんの顔色があまり良くないのだ。
今までの疲れが出たのか、なかなか本調子には戻っていない。
会社からも、ゆっくり休むように言われたと笑っていたけれど、目を離すと内職のミシンを動かそうとしている姿を見て、これは危ないなと小夜は内心思っていた。
大切な記念日だけど、状況によっては美湖ちゃんをこの日も預かる可能性を感じていた。
熱を出した時に看病してくれた桜井さんへ、恩返しをしたい。それに、おれが捕まっていた時に、事務所のおばさんと風見さんを繋いでくれたのは、彼女だった。
彼女の優しさがあって、今の自分がいる。
だからこそ、恩返しをしたいと思った。
そして小夜はひとつ一大決心をした。
オムライスは諦める!!
その代わり、一生に一度の思い出を作る!!
携帯を取り出し、予約可能な時間を確認した。
その上で、風見さんへ連絡を入れた。
『明日、どうしても行きたい場所があります!』
すぐに既読になった。
『もちろん、そこへ行こう。でも美湖ちゃん預からなくて大丈夫?』
ほら、風見さんも分かってくれている。
『美湖ちゃんと一緒に、夏の思い出を作りましょう!』
『分かった。明日は、早く帰れそうだよ。』
やった!!
『例えば、新宿に16時半とかは可能でしょうか。』
『もちろん!15時で帰るつもり。』
小夜は思わずガッツポーズをした。
『じゃあ、帰ってから打ち合わせしようね。』
既読になったのを確認して、美湖ちゃんを振り返った。
「美湖ちゃん、明日は忍者になろう!」
「にんじゃ?」
そう、明日は忍者のテーマパークへ行く事が決定したのだった。
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