アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
27
-
新宿駅は迷路のように複雑だ。
風見は14番ホームから小夜の待つ西口のカフェへと向かった。
広大な駅の中は、人でごった返している。
そして、迷いながら歩いている人も多い。
迷宮と言っても過言でない複雑に入り組んだ駅だが、方向さえ間違わなければ辿りつける場所だ。
そして、この大きな駅には珍しく、構内のカフェの数は少ない。
敢えて西口のカフェを選んだのは、すれ違いを避けるためだった。
小夜からの連絡では、すでに到着しているとあった。
美湖ちゃんもご機嫌に待ってくれていたら良いけれど。
足速に目的地へと向かっていると、誰かの視線を感じた。
基本的に身長が高いせいで人より注目を浴びがちな自分だが、今回の視線は妙にねちっこい。
念のためにサッと柱に隠れると、慌てて走ってくる人物がいた。
・・・え?
風見の目が吊り上がった。
ほほぉ。
上司を尾けるって、どういう気だ?
会社に電話を掛けた。
『はい、ライム・ビジネスソリューション石田でございます。』
「俺、風見です。」
都合良く石田が出てくれて助かった。
『あら、どうしたの?』
「あいつ、鈴谷は?」
『急用が出来たみたいで、早退したわよ。』
ふぅん。
どうも鈴谷は、まだ仕事を勘違いしているらしい。
制裁が必要だな。
「ありがとう、本人に直接電話するわ。」
『ふふ、お手柔らかにね。』
電話を切った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
27 / 343