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小夜は風見からの電話を切ったあとすぐに、光太郎くんへと電話を掛けた。
『お兄ちゃん、ごめん!いま手が離せなくて!』
「大吾くんのことなんだ。」
慌てた声で電話を取ってくれた光太郎くんへ、小夜は早口で話した。
『え?!大吾?!』
美湖ちゃんが不思議そうに見上げている。
頭を撫でて、微笑んだ。
「そう、いま新宿駅にいるんだけど、風見さんが大吾くんを見つけたみたいで待ち合わせしたんだ。」
『新宿?!』
光太郎くんの声が裏返った。
「いまから忍者に会いに行くんだけど、その前にお迎えに来れるかな?」
・・・光太郎は、ポカンとした。
にんじゃ?
『う、うん。どこに行ったら良い?』
「えっと、西口のカフェにいるんだ。」
美湖ちゃんが、指をニンニンの指にした。
「そう、美湖ちゃん物知りだね。」
「うん!」
嬉しそうに笑う美湖ちゃんに指差した。
「ほら、あっくんが見えた!」
「あっくん!!」
光太郎は駅に向かいながら、必死に考えた。
忍者に会いに行くって言ったよね?
そして、あっくんが来たってなに?
お兄ちゃん、謎すぎる!!
『お兄ちゃん、とにかくそっちに行くから、大吾のことよろしくお願いします!』
「うん、任せて!」
小夜は携帯をしまうと、手を振った。
どう見ても、大吾くん以外にひとり連れてきている。
小夜は誰だろうと目を凝らしながら、忍者の予約時間に間に合いますようにと密かに願った。
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