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「だ、大丈夫ですか?」
受付のお姉さんが慌てて駆け寄った。
「に、にんじゃに、あいたくて・・・っ!」
ゼイゼイと荒い息を吐く光太郎くんに、大吾くんが駆け寄った。
「にぃちゃ!!」
「大吾ッ!!」
感動の再会っぽくないのは、さっきの発言のせいだろう。
大吾くんに会いたいじゃなくて、忍者に会いたいって、どういうこと?だ。
小夜は目をパチパチさせながら、風見を見た。
風見も苦笑している。
「光太郎くん、忍者は予約制だから、空きがないと会えないよ?」
「ええ?!」
今日イチ、大きい声を聞いた。
「だっ・・・!!」
言いかけた光太郎くんに、美湖ちゃんがシーッと静かにするように諭した。
「シーッ!にんにん、びっくりしちゃうよ。」
口を噤んだのを見計らって、受付のお姉さんが微笑んだ。
「ご予約のお客様がお見えにならないので、ご参加されますか?」
時計をみると、予約時間を10分過ぎていた。
飛び込みの外国人と、光太郎くんがそれそれ受付をし、いよいよ中に入った。
------------※ ※ ※------------
店に入った智樹は、壁に掛けた時計が止まっているのに気付いた。
やだわ、電池あったかしら。
引き出しを開けてみると、アルカリ電池とマンガン電池が1つずつしかない。
残念なことに、時計には2本必要だった。
まだ時間あるし、買いに行こう。
アルカリ電池とマンガン電池を一緒に使ってはいけない。
液漏れの原因になる上に、本来の力をそれぞれ発揮できなくなるのだ。
掛け時計にはマンガン電池の方が良い。
電池にはそれぞれ特性があって、得て不得手があるのだ。
智樹は新宿三丁目駅方面に向かって行くと、ヘロヘロになっているおじさんがいた。
あら。
酔っ払いにしては、ちゃんとしている気がする。
ゲホゲホと咳を繰り返して、随分苦しそうに見えた。
「・・・あの、大丈夫ですか?」
「ひー、ひー、ゲホゲホッ!!」
涙目で咳き込んでいる。
思わず自販機でお水を買って手渡した。
「・・・病院、行かれます?救急車呼びましょうか?」
そう言うと、縋るように腕を掴まれた。
「た、助けてください!ここに行きたいんです!!」
「!!」
流石に、びっくりした。
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