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ふふ、タイミング。
小夜は吹き出そうになった。
「鈴谷くんも、おいで。」
「ええ?!」
お店の入り口で固まっている鈴谷くんを手招きした。
「あー!しってるひと!」
美湖ちゃんの言葉に爆笑した。
ふふ、名前、忘れられてるし。
「美湖ちゃん、ひどい!鈴谷洋平だよー!」
「んー??」
ブハッ!
小夜は吹き出した後、鈴谷くんの言葉に付け加えた。
「美湖ちゃん、すずくんだよ。」
「??」
「一緒に遊んだじゃん!」
「んー??」
アハハ!
もう、無理!!
おかしすぎて、涙が出た。
みんなで大爆笑になった。
「もー、ひどい。」
ひどいと言いながら、鈴谷くんも笑っている。
「すず、忍者はどうなったの?」
「わあ!!智樹さん、シーーーーーッ!!」
慌てて鈴谷くんが走って行って山田さんの口を押さえた。
隣に座る奏太さんから叩かれている。
ぷぷぷッ。
「みこ、にんじゃになったよ!」
「だいごも!!」
楽しそうに宣言したふたりを、鈴谷くんは目を丸くして見つめた。
「何それ!俺もなりたい!」
ブハッ!
「アハハ、すずったら。今度連れて行ってあげるわ。」
「ええー?!智樹さん、忍者と知り合いなの?!」
バーの中で忍者ごっこが勃発した。
「てきめ!」
「とぅ!!」
ゲラゲラ笑った。
めちゃくちゃおかしかった。
光太郎くんは
「風見さん!伸縮の床の忍法教えてください!」
「光太郎くん!危ないよ!携帯破壊されるから!」
鈴谷くんから意味不明な制止をされるし、大吾くんと美湖ちゃんは山田さんと戦っている。
「忍法ぐるぐる!!」
大吾くんを捕まえて、ぐるぐる振り回している。キャッキャと楽しげな悲鳴が響いた。
ああ、楽しい。
めちゃくちゃ楽しい。
「うぉっ!?」
アハハ、何故か貴志さんまでお店に来た。
ああ、素敵な記念日。
一生忘れない。
「忍法!ポッポーー!!」
ふふ。
素敵な記念日になりました。
「さぁ、みんな帰るよ!」
「「はーい!」」
誤解も解けて、幸せ。
思い出も作れて、幸せ。
忘れられない忍者の日。
小夜は風見の手をギュッと握りしめた。
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