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「俺の上司はさ。」
トオルさんの低い声が、セミの鳴き声と共に公園に流れていく。
「うん。」
うっとりとしながら、貴志は耳を傾けた。
「アメリカ国籍の人で、もともとぶっ飛んだ人なんだけど、最近恋人が出来て、相当振り回されてるんだ。」
へぇ。
「その恋人とも友だちになったんだけど、その子がシンガポールに遊びに来てね。」
五七五七七。
つまり、和歌。
「普通、ごーしちごーしちしちって言ったら、俳句とかその系統を思い浮かべるだろ?」
「うん。」
「その子、いきなり大きなノッポの古時計の替え歌を歌い出して大爆笑したんだ。」
ええ?!
「なんかさ、家庭教師に好きな人を思い浮かべながら五七五七七で歌を詠んでみてくださいって言われた時に、なんでかその子の頭の中で、GO CITY GO CITY CITYって変換されたらしくって、替え歌2曲持参でシンガポールにやってきたんだ。」
悪いけど、爆笑した。
「そ、その子、日本人?」
「うん、超純血。」
自分も抜けてるって言われる事もあるけど、その子ほど天然じゃないかも!
「ふふ、可愛い子だね。」
「だろ?可愛いんだ。」
ズキンと胸が痛んだ。
もしかして・・・その子の事、好きとか。
「貴志なら、恋人に逢いに行くとき、何を準備する?」
「あ、えっと・・・。」
さっき言われたおみそ汁のことを思い出した。
「おみそ?」
「え?」
ふたりで目を丸くして見つめあった。
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※番外編での珍道中参照ください。
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