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ひぇ!!
しんちゃんの発言に凍りついたのは、貴志だけじゃなかった。
トオルもまた、デリケートなタイミングに!!と、焦ったのだ。
「ししし、しんちゃん!いきなり失礼だよ。」
「あ、ごめんなさい!・・・こんにちは?」
絶句。
貴志は挨拶されて耳を疑った。
えっと。
もしかして、いきなり失礼だと言われたから、あいさつをした?
「こ、こんにちは?」
あいさつの返しをすると、嬉しそうに笑ってくれた。
「急に話しかけてごめんなさい。おれ、松岡晋作っていいます。」
ふふ、間違いないみたい。
天然ちゃんなんだ。
「いいえ。俺は篠崎貴志です。」
「篠崎さんもシンガポールに住んでいるんですか?」
首を振った。
「日本にいるよ。シンガポールには、行ってみたいよね。」
「ですよね!おれもエドワードについていきたいから、お勉強頑張っているんです。」
ふふ、可愛い。
ほっぺを真っ赤にして、目をキラキラさせて夢を話してくれた。
「頑張りましょうね!」
敵わない。
悪意のカケラも見当たらない。
ただエドワードのことが好きで好きで、仕方がないらしい。
「そうだね、頑張ろうね。」
トオルさんが晋作くんのことを好きな理由が分かった。
可愛くて癒されるのだ。
俺は彼以上には、なれない。
なれないけど、ぶつかることはできる。
好き。
トオルさんを見ると、彼も俺を見てくれた。
そういう意味で好きでいてくれたら良いな。
貴志はトオルの手に渡された「荷物」をチラリと確認してから、自分の爪先を見た。
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