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しんちゃん、こと、晋作くんと別れて、俺たちは『居酒屋はなれ』へと向かった。
はなれは、貴志絶賛のお店だ。
「ここね、俺の親戚の子もアルバイトしてるんだけど、すごく美味しいんだよ。」
「へぇ!今日いるかな?」
貴志の親戚なら、きっと気立ての良い子に違いない。
だんだんと取れていく敬語。
少しずつ心の距離がなくなっている証拠に感じて、トオルは喜びを感じていた。
「んーどうだろう?彼氏さんが土日休みのお仕事だから、それに合わせて今日はお休みかもしれない。」
今日は居ないにしても、自分と深い関わりのある場所を紹介してくれるのは、好意の顕れだと思う。
良いように解釈しながら、俺たちはいつかの公園にやってきた。
昼過ぎに降った雨の跡は、どこにも残っていない。
ベンチは乾ききって、座れるようになっていた。
「ねぇ、さっきの話なんだけど。」
隣に座っていた貴志が、俺の顔を見た。
「さっき?親戚の子のこと?」
違う違う。
「貴志の恋愛対象の話。」
そう言うと、貴志は耳まで真っ赤になった。
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