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久しぶりの真由ちゃんからの連絡に、小夜はびっくりした。
「真由ちゃん!元気?」
『うん!小夜ちゃんも元気?』
しゃがんで、美湖ちゃんに靴を履かせていた風見さんがおれを見上げた。
頷くと、茜ちゃんのお母さんへのお菓子の袋を握った。
『実はこれからすぐ近くに行くんだけど、小夜ちゃん、一瞬だけ会えないかな?』
これから茜ちゃんたちとみんなで食事をする。
迷った。
会いたいけど、今日はお祝いをする日なのだ。
『1分くらいで良いんだ。』
なら。
「分かった。でもね、これから商店街に行って晩ご飯食べるんだ。居酒屋はなれって所なんだけど。」
『行く行く!お店の前に着いたら連絡するね。』
久しぶりに真由ちゃんと会う。
いつぶりだろう。
「暁さん、真由ちゃんがちょっとで良いから会いたいって言うんだ。途中で席外すけど、いい?」
「もちろんいいよ、何か用事なんだろうから。」
毎日のようにしていたメッセージのやり取り。
受験生だから、おれから控えだしてどれくらいだろう。
動物の看護師になる専門学校を受験すると言っていた。
専門学校であれば、そろそろ受験の日程が近づいている頃だろう。
うちの学校でも、オープンキャンパスをしている。
それが終われば、いよいよ受験なのだ。
「真由ちゃん、そろそろ受験に向けて不安な時期だよね。」
「小夜が去年受験したの思い出すよ。」
そう、おれの場合は小論文と面接だった。
風見さんにも、風見さんのお父さんにもアドバイスをもらった。
「・・・励ましてあげたい。」
「だな。夢に向かって、全力で頑張っているんだもんな。さ、美湖ちゃん、上手に結べたね。」
ひも靴を何度も解き直して、綺麗な形のチョウチョ結びができた。美湖ちゃんも、少しずつ色んな事ができるようになってきたのだ。
「おれたちも頑張らないとって思う。」
「ふふ、小夜は頑張りすぎだよ。」
3人で、美味しい夕食を食べにマンションを出た。
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