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探究心を刺激する存在
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暗城家が、精液を買い取る理由は2つ。
暗城家の跡取りの為と、純粋に高値で売れるからだ。
乗り気になった俺に、初めてだからと、吾久が数人のαを回してきた。
譲ると言えば聞こえはいいが、要は厄介払いに俺に押し付けた形だ。
その中に、夏野 縁(なつの ゆかり)がいた。
彼の親は、縁がαだと判断された瞬間に金の換算を始めた。
暗城家が、αの精液を高く買い取るコトを知っていた両親は、縁の精液を売った。
4年ほど縁の両親と取引をしていた吾久は、金への汚さに辟易していた。
吾久から押し付けられ、1年ほど、縁の親と取引をしたが、採取のための性的サービスを不要とする変わりに、買値を釣り上げられた。
夏野家との取引は、俺には美味しい話ではなかった。
それでも、突発的に生まれたαに興味が湧いていた。
血縁にαがいないのに、αとして生まれた縁は、俺の探求心を刺激した。
本格的な稼ぎとするために、俺は“お手伝い”の育成を始めた。
“お手伝い”とは、性的サービスに家政婦の仕事を加えたものだ。
仕事の核は、αの精液摂取に他ならない。
黒羽家も、風俗業は手掛けており、男娼、娼婦に困ることはなかった。
でも、性的サービスを施され、普通に精液を採取されるだけなら、黒羽家に売る旨味がない。
暗城家に売ろうが、黒羽家に売ろうが変わらない。
変わらないどころか、マージンが発生しない分、暗城家と直接取引をする方が、利がある。
精液を売ってくれるαを見つけたとしても、付加価値をつけなければ、最終的に暗城家との取引を選択されてしまう。
“お手伝い”に、【魅惑の香水】は、好都合だった。
13歳の頃に発見し、14歳の頃に本格的に開発を始めた【魅惑の香水】は、Ωの発情期特有のフェロモンの成分を含む香水…、αの性的興奮を強制的に高める香水だ。
αの自分がどうしてΩのフェロモンに屈するのかを知りたくて、研究しているうちに出来上がった副産物だった。
番のいないαは、Ωの発情の香りに逆らえない。
その香りを嗅がされれば、無条件に興奮を高められてしまう。
精液の売買への本格参入と時を同じくして、黒羽家に売られてきたβの男、那須田 丈陽(なすだ たける)。
【魅惑の香水】の検体として、打ってつけだった。
『臓器と身体、どっちを売るか選べ』と選択を迫った。
プライドと命を天秤にかけさせた。
那須田は、命を選択した。
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