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目の前の存在に
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高校3年の秋。
薬で抑制すればするほどに、発情期が激しくなっている気がした。
翠之が抱いてくれれば、楽になる。
でもその日は、翠之の学年は修学旅行に出立した日だった。
翠之が居ない……。
考えれば考えるほどに不安になり、身体の熱は上がる一方だった。
不安に駆られたままに授業を受けていた。
昼食前、音楽室から戻る際に倉島とすれ違った。
僕の纏う雰囲気に、倉島が懸念を抱く。
保健室へと連れられ、横になっているだけでも違うだろうと、ベッドへと寝かされた。
養護教諭も2年の修学旅行に同行し、奥のベッドがカーテンで遮蔽されていたが、保健室は静まり返っていた。
「ネクタイ……緩めるぞ?」
高熱でも出したかのように、重怠く熱い息遣い僕に、倉島は甲斐甲斐しく世話を焼く。
その倉島の顔は、暴れそうな本能を必死に抑える顰めっ面だ。
「薬、無いのか?」
早くこのフェロモンを抑えてくれと言いたげに、倉島は苛立ちの混じる声を放つ。
「飲んでるよ……、でも」
はぁっと吐き出す息が熱い。
僕だって、出来るものならそうしたい。
だけど、熱く昂る身体は、オスを求め暴れ始める。
「先生……」
僕は、目の前のオスに縋る。
潤んだ瞳で、オスに強情る。
僕のネクタイを緩める倉島の手に手を重ね、唇を寄せた。
倉島は、寄るコトも、引くコトもしない。
翠之の影に怯え、寄れない気持ち。
煽られる性欲に、引けない身体。
倉島の身体は、僕の上で固まっていた。
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