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狡くて卑怯な選択
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翠之に捨てられたくない僕は、保身のために下唇を噛み込んだ。
翠之の命に従うように、何も紡がないコトを選んだ。
僕は、狡くて卑怯な選択をした。
僕が好きなのは翠之だと…縋るような瞳で見詰めた。
自分から誘ったクセに、簡単に倉島を切り捨てた。
そんな狡い僕を、翠之は貶さない。
それどころか、誉めるように僕の頭を撫でた。
思い通りの僕の反応に、柔らかなキスが髪を擽る。
「お利口さん……」
「いっ……てぇ…」
ベッドから蹴落とされた身体に、息が詰まり動きを止めていた倉島が、やっとの思いで起き上がる。
床にだらしなく座ったままに、翠之に冷ややかな瞳を向けた。
翠之は、緩められていた僕のネクタイを抜き取り、薬品棚の角にあったロール状の包帯を手に取った。
じりじりと近づく翠之に、倉島が口を開いた。
「……そいつが…ん、ぐっ」
誘ったんだ…そう言いたかったであろうその口に、翠之は、手にしていた包帯が捩じ込んだ。
吐き出そうとする口に蓋をするようにネクタイを回し、頭の後ろで縛り上げた。
ネクタイを外そうとする倉島の両手を掴んだ翠之は、そのまま身体の後ろへと回し、ポケットから取り出した自分のネクタイで後ろ手に拘束する。
「んっ……ん!」
苛立ちに反論しようとする倉島の声は、くぐもり言葉にならない。
「ダメって言ったよね? オレのもんに手ぇ出すなって、忠告したよね? あんたは霙のボディーガードだって言いましたよね?」
怒りを露にしたままの刺々しい声色で放たれた翠之の言葉。
倉島は腹立たしげに翠之を睨め上げた。
「大人しくしてないと、ここ…、潰すよ?」
露出されたままの倉島の股間に、足先を乗せた翠之は、支配者の笑みを浮かべた。
「……っ」
狂ったような翠之の笑顔に、倉島の喉が引き攣った音を立てた。
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