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ピンチに気付く
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何を?
オレはきょとんとした顔のままに、男を見上げた。
「お前……βっぽいな」
男は、オレをじろじろ見ながら値踏みする。
「誘発剤もあるけど、Ωに飲ますまでが面倒だしなぁ。催淫剤か……」
ポケットを探った男が、見せてきたのは、小さなビニールに入った錠剤。
「あの黒羽製薬のブツだ。2人で飲めば、キメセク出きるぞ? 1回ヤってみろよ? 2万……も持ってなさそうだな。しゃあねぇ、お試し価格で2千円で売ってやるよ」
どうだと言わんばかりに、男はにたりと口角を上げた。
前提として、そんなコトをする相手なんていない。
それに、小さな小さなビニール袋に錠剤が2個だけ、それで2万なんて、ぼったくりもいいとこじゃないか。
さらに言うと、薬に手を出すつもりもない。
1回ヤってみろってやったら抜けられなくなるんだろ?
だから、今回は2千円でいいとか言うんだろ?
嫌そうに口をへの字に曲げるオレに、ニタニタしていた男の顔が、ぐんぐんと曇っていく。
「買うまで帰さねぇけど? なんなら今ここでお前に飲ませて、試しに犯してやろうか?」
ぬっと伸びてきた男の手が、オレの両頬を片手で掴む。
ぐっと力を入れられれば、痛みにオレの口が、ぱかりと開く。
……は?! え?!!
鈍いオレは、ここでやっと自分のピンチを知った。
「や……っ!」
頬に食い込む男の指先。
オレの口を開いている手首に両手を掛け、バタバタと暴れる。
力の差は歴然で、男はオレの抵抗など、意に介さない。
―― ぱぁん!
オレの頬を握る男の顔に、大きな掌がぶち当たる。
予想外の衝撃に、男の手から小さなビニール袋が飛んだ。
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