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もっと近づきたくて
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4年前、帝斗を追い掛け、中卒で黒羽製薬に就職し、別館の従業員用の寮に入った。
就職後、帝斗のコトを調べた。
調べれば調べるほど、憧れを強くした。
裏の汚い仕事だろうと、オレは、帝斗に従事したかった。
殺しだろうとなんだろうと出来るものならしたかったが、オレには才がなかった。
せめて、薬剤開発のアシスタントや、研究の手助けをしたかったが、βの俺にはそんな能力はなかった。
せいぜい、表の仕事の営業に回るか、伝票処理程度で、黒羽製薬で働いていても、帝斗に会える機会は少なかった。
たまにラボで見かけるコトもあったが、接点は、ほぼ無いに等しい。
帝斗と話をしている相手の中に、どう見てもオレと同じ程度の能力しかないような人間もいた。
その人間たちの共通点は、銀色のアンクレット。
それは、黒羽家の所有物の証だ。
あのアンクレットがあれば、もっと帝斗に近づける。
オレは、黒羽製薬の従業員では満足できなかった。
帝斗のものになりたくて、…アンクレット欲しさに、オレを買ってもらったのが3年前だ。
黒羽製薬のぺーぺーの従業員だったオレは、黒羽家の所有物となった。
帝斗は、自分が手掛けたものは、自分で成果を確認する。
治験者は、帝斗に接触できるというコトだ。
従業員は、治験者にはなれないので、黒羽家の所有物となったのは好都合だった。
治験員とは別に、“お手伝い”になるという選択肢もあったが、オレは壊滅的に家事が出来なかった。
でも、“お手伝い”であれば教育が終われば、αの元に派遣されてしまう。
それを考えれば、治験員で良かったと思う。
一治験員であるオレが居るのは、黒羽製薬のラボ本館の地下にある10人部屋。
パーソナルスペースは、ベッドの上くらいという大部屋だ。
アルバイトや黒羽の所有物でも進んで治験を受けている者は、逃げ出す心配もないので、管理しやすいようにと、ここへ入れられる。
“リサイクル”となり無理矢理に参加させられてる者や、アンクレットのついた黒羽家の所有物でも従順ではない者は、奥の小さな個室に配置される。
あとは黒色のアンクレットのついた暗城からのレンタルであろう治験者も個室だ。
アンクレットがつけられている者は、基本的にそれを隠したがる。
でもオレは、あえて見せびらかすように、ハーフパンツや七分丈のパンツを履いている。
オレの足首についている銀色のアンクレットは、帝斗の所有物である証だからだ。
あぁ。顔が、ニヤけてしまう。
自分が帝斗の所有物だと考えただけで、堪らなくなるくらいに、オレは彼を崇拝している。
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